JR東日本・石和温泉駅
石和温泉(いさわおんせん)
中央本線   春日居町 石和温泉 酒折
所在地 山梨県笛吹市石和町松本177-1
駅番号  CO41
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 中央本線
キロ程 127.8km(新宿起点)
駅構造  地上駅(橋上駅)
ホーム  2面2線
乗車人員  2,701人/日(2023年)
開業年月日 1903年(明治36年)6月11日
駅種別  業務委託駅 話せる指定席券売機設置駅
石和温泉駅
石和温泉駅
石和温泉駅(いさわおんせんえき)は、山梨県笛吹市石和町松本にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)中央本線の駅である。駅番号はCO 41。
明治期の中央線敷設に際して、山梨県では上野原 - 鳥原間に12か所の停車場の設置が内定していたが、このうち笹子トンネルを越えた初鹿野から甲府間の停車場は未定であった。笹子以西の予定路線は盆地北縁を北西に迂回し、上万力で笛吹川を渡河し、青梅街道と平行して西南へ進み東山梨郡岡部村松木付近で屈曲し、さらに西進し甲府へ至る東山梨郡・西山梨郡を通過するルートが想定された。
石和は江戸時代に甲州街道の宿駅である石和宿を中心とする宿場町として発展し、石和代官所が置かれ、鎌倉街道や秩父往還など脇往還が分岐し笛吹川を利用した舟運も行われており、峡東地域における一中心地であった。明治期には石和村に東八代郡の郡役所が設置されていた。一帯では養蚕蚕糸業が盛んで、ブドウ等の果樹・瓦等の特産物を産出していた。
中央線の予定路線が東山梨郡を通過しないことが判明すると、地元では特産物や製糸工場への石炭輸送の必要性から、予定路線が石和村に最も近接する岡部村に停車場を誘致する運動が起こり、石和村や岡部村を始め関係する東山梨・東八代両郡の諸村が合同で上申書を提出した。なお、東八代郡でも勝沼と関係の深い東部の諸村では運動に参加していない。
石和駅として開業した当時には笛吹川流路が駅舎のある岡部村(現駅舎と同位置)と甲州街道石和宿(現在の国道411号)の中間地点(現在の第二平等川付近)を東西に流れており、石和宿から笛吹川を北に渡った対岸の石和駅と言う名称は、駅舎の位置が石和宿に近いことから名付けられたものであった。開業から4年後の1907年(明治40年)には東郡地域を中心に県下に多大な被害を及ぼした明治40年の大水害が発生し、笛吹川は石和宿南側を東西に流れる現流路に変わっている。
中央線開通は石和を始め山梨県内の各地域へ大きな影響を与えるが、石和駅の開業による鉄道輸送の開始は養蚕・蚕糸業の更なる発展を促し、桑畑や製紙工場が増加し、果樹栽培も拡大した。一方、鉄道輸送の増加は陸上輸送や舟運、旧宿場での旅宿業の衰退を及ぼしている。また、中央線開通は甲府を中心とする商業圏を確立させ、石和は峡東の一中心地としての役割が低下すると共に、甲府商業圏との関係を強めることになった。
戦後には養蚕業が衰退し、果樹栽培と石和温泉を中心とする観光業への依存を強め、石和温泉駅周辺も観光都市の玄関として道路整備が行われ、旅館街となっている。
2014年まで使われていた駅舎は木造2階建てで、駅舎内部には駅事務室と待合所があり、待合所には自動券売機(指定席券売機も含む)や出札窓口、自動改札機や有人改札通路の他、土産物なども売るコーヒーショップや売店等があった。この駅舎は築78年を経過しており、またバリアフリー化及び駅北側からのアクセス改善を図る目的もあって、2014年3月から駅舎橋上化工事が行われ、その間は仮駅舎での営業となっていた。
2015年(平成27年)3月25日に橋上駅舎のうち南口の駅舎部分および西側の出入口、南北自由通路の南口側の部分の工事が完了し、使用開始となった。翌2016年(平成28年)2月12日には北口広場および自由通路の北口側も供用を開始した。

E353系「あずさ」 改札口
E353系「あずさ」 改札口
駅構造

相対式ホーム2面2線を有する地上駅である。駅舎は鉄骨造り2階建ての橋上式で、敷地面積は約3,288平米、延床面積は約1,740平米ある。上下ホームそれぞれ1基のエレベーターが設置され、またホーム上に待合室がある。
改札内に多機能トイレを備える。指定席券売機、話せる指定席券売機が設置されている。
JR東日本ステーションサービスが駅業務を受託している甲府駅管理の業務委託駅。
以前は直営駅で管理駅として春日居町駅を管理していた。
南北自由通路は幅が約6 m、全長約40 mあり、北口開設前はこのうち約33 mが供用されている。
南口にエレベーター1基とエスカレーター2基と多機能トイレ、北口にエレベーター1基を備える。
特急列車は「あずさ」朝夕2往復と「かいじ」の全てが停車する。
かつては「スーパーあずさ」や、休日に運行される横浜線直通の「はまかいじ」も停車していた。
2019年3月のダイヤ改正で「あずさ」は全て通過となったが、2020年3月14日から再び停車するようになった。
かつては3番線が存在し、上り待避線として使用されていたが2012年頃には使用されなくなり、2014年2月9日の仮駅舎移転をもって廃止された。

のりば
番線 路線 方向 行先
中央本線 下り 甲府・上諏訪・松本・長野方面
上り 塩山・大月・八王子・新宿方面

歴史

  • 1903年(明治36年)6月11日:国有鉄道中央線初鹿野 - 甲府間開通時に、石和駅(いさわえき)として塩山駅、日下部駅(現・山梨市駅)、甲府駅と共に4駅同時開設。一般駅。
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により、中央東線(後の中央本線)の駅となる。
  • 1936年(昭和11年):旧駅舎の供用開始。以降2014年までこの駅舎が使用されていた。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:荷物扱い廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本・JR貨物の駅となる。
  • 1993年(平成5年)4月1日:石和温泉駅(いさわおんせんえき)に改称。
  • 1999年(平成11年)7月16日:貨物列車の設定廃止。
  • 2004年(平成16年)10月16日:ICカード「Suica」の利用が可能となる。東京近郊区間に編入される。
  • 2007年(平成19年)3月1日:指定席券売機設置。
  • 2014年(平成26年)3月7日:橋上化工事に伴い仮駅舎に移転。
  • 2015年(平成27年)3月25日:橋上駅舎使用開始。
  • 2016年(平成28年)
    • 2月10日:発車メロディを「武田節」に変更。
    • 2月12日:駅北口側の自由通路の使用開始。
  • 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正に伴い特急「あずさ」の全列車が通過となり、特急列車は「かいじ」のみ停車となる。
  • 2020年(令和2年)3月14日:ダイヤ改正に伴い特急「あずさ」停車再開(朝夕2往復停車)。
  • 2021年(令和3年)4月1日:業務委託駅化。
  • 2022年(令和4年)
    • 11月30日:みどりの窓口の営業終了。
    • 12月1日:話せる指定席券売機導入。