TualatinコアCeleronマシン製作について
平成14年4月29日にTualatinコアのCeleronマシンの作成に取りかかりました。
今度のマシンは、なるべく低コストでスリムタワーマシンを作成することが目的です。
用途としては、これまで使っていたCeleron766MHzマシンを息子の健一用にするためにセカンドマシンとして使用することになります。
低コストおよびスリムタワーが前提なので、ベアボーンキットを使うことにしました。
ただし、低コストとはいえそれなりの拡張性と性能を持たせるためには、AGPスロットを搭載し、PCIスロットもできるだけ数が必要となります。
となると、チップセットにi815Eを搭載したマザーボードが最も適切になります。
これならCPUにTualatinコアのCeleronおよびPentiumVが搭載可能となりますが、平成14年4月時点では既にPentiumVは入手が困難となりつつあり、しかも高価です。
となると、CPUにはCeleronを搭載し、しかもできるだけパフォーマンスを上げるとするとCeleron1.3GHzを選択することになりました。
後はビデオカードですが、スリムタワーの場合搭載可能なビデオカードはLowProfileカードになることに注意してください。
当然、LANカードもLowProfileカードとなります。
TualatinコアCeleronマシンの構成
今回のマシンの構成は、次の表の通りです。 
CPU Celeron(Tualatin) 1.3GHz
ケース Aopen A250−CS (スリムタワー) 
マザーボード Aopen MX3−SU
拡張スロット AGP×1,PCI×1,CNR×1 (LowProfile)
主メモリ SDRAM−DIMM 256MB
チップセット i815E
HDD MAXTOR 20GB
CD-ROMドライブ 52倍速CD−ROMドライブ
ビデオカード nVIDIA GeForce2MX400 64MB
サウンドチップ AC’97 SOUND CARD
LANカード GH−EL100MX
CRTディスプレイ IBM製 17インチCRT
キーボード・マウス オウルテック製 PS/2対応キーボード、マウス
OS WindowsMe
CPUについて
このベアボーンキットは、FC−PGA2を備えているので、TualatinコアのPentiumVとCeleronが搭載可能ですが、今回は低コストでなおかつパフォーマンスはなるべく高くということでCeleron1.3GHzを選択しました。
Celeronといっても、最近ではFSB100MHzであり、2次キャッシュも256KBあるので以前のイメージとは異なります。
ただし、最新のPentium4やAthlonXPほどの帯域はありませんので性能はそこそこです。
Celeron VS Pentium4 VS AthlonXP
CPU Celeron Pentium4 AthlonXP
最大クロック 1.3GHz 2.8GHz 2.2GHz
FSB 100MHz 533MHz 266MHz
1次キャッシュ  32KB  20KB 128KB
2次キャッシュ 256KB    256〜512KB 256KB
SIMD  SSE SSE2 3DNow!TM
プロフェッショナル・テクノロジ
ハードディスクについて
ハードディスクは、MAXTORの7200rpm、20GBのものを取り付けました。
まあ、たいしたことはありませんが。
メモリについて
最近のマシンでは、メモリは256MBが欲しいということでPC/100の256MB SDRAMをバルク品で購入しました。
WindowsMeでは、最低128MBが必要です。
Windows2000やWindowsXPでは、できれば256MBが必要と考えてください。
スワップ動作が頻繁に起こらないことが快適な使用につながります。 
CRTディスプレイ
CRTディスプレイは、IBM Aptivaに付属していた17インチCRT を中古で購入しました。
まあまあの製品です。フラット管ではないのですが。 
ベンチマークの測定結果
実際に完成したTualatinコアCeleronマシンの性能を測定するために、HDBENCH2.61と3DMark2000を使いました。
HDBENCHは、マシンの演算能力とビデオカード、ハードディスクの能力を測り、3DMark2000は、主に3D能力を測ります。 
HDBENCH2.61の測定結果
ALL 55038      
CPU 浮動小数点 整数 Memory     
105617 83817 63402 
VIDEO  矩形  円   Text Scroll DirectDraw
 100432 16632 57180  699 59
HDD  Read Write  Drive     
34132  41795 C:10MB
3DMark2000の測定結果
3DMark Result:  5168 3D marks
CPU Speed:  474 CPU 3D marks
Game 1 - Helicopter - Low Detail:   100.5 FPS
Game 1 - Helicopter - Medium Detail:    74.6  FPS
Game 1 - Helicopter - High Detail:    36.2  FPS
Game 2 - Adventure - Low Detail:   100.4  FPS
Game 2 - Adventure - Medium Detail:    72.8  FPS
Game 2 - Adventure - High Detail:    46.2  FPS
Fill Rate (Single-Texturing):   356.7 MTexels/s
Fill Rate (Multi-Texturing):   692.0 MTexels/s
High Polygon Count (1 Light):  11395 KTriangles/s
High Polygon Count (4 Lights):   8632 KTriangles/s
High Polygon Count (8 Lights):   5241 KTriangles/s
8MB Texture Rendering Speed:   237.8 FPS
16MB Texture Rendering Speed:   231.5 FPS
32MB Texture Rendering Speed:   183.1 FPS
64MB Texture Rendering Speed:   100.8 FPS
Bump Mapping (Emboss, 3-pass):   137.8 FPS
Bump Mapping (Emboss, 2-pass):   165.7 FPS
Bump Mapping (Emboss, 1-pass):   240.7 FPS
Bump Mapping (Environment):   N/A FPS
まずHDBENCH2.61の測定結果を見ると、演算能力はさすがに高く、ビジネスアプリが快適に動作しそうです。
メモリアクセス能力も思ったより高いようです。このマシンは、メモリクロックは100MHzで動作しています。
VIDEO能力はGeForce2MX400 64MBなのでそう高くはありませんが、ビジネスアプリなら充分ですし、ゲームでもできないことはありません。
3DMARK2000のスコアもAthlon1GHzと同等の性能を持つことがわかります。
まあ、よほど重い3Dゲームでなければ大丈夫でしょう。
この手のビデオカードは、コストの割には性能が高いのでお買い得です。
ハードディスクは、7200prmのIDEハードディスクですが、まずまずでしょう。
このマシンに関しての考察
このTualatinコアCeleron1.3GHzマシンのベンチマークの測定結果から、マシンの特徴を推し量ると次のように考えることが出来ます。

1)演算能力は高く、SSEも備えているのでビジネスアプリケーションは快適に動作するであろう。
2)ビデオカードはまずまずなのでよほど重い3Dゲームでなければ大丈夫でしょう。
3)SSEを持っているのでSSE対応アプリケーションには威力を発揮するであろう。
4)HDD性能は、最新のものに比べれば劣るだろうが実用上は十分であろう。
5)DirectDrawは、けっこう高い値なのでグラフィックツール等の描画速度もまずまずであろう。

結論からするとビジネスアプリケーションを動作させたときに最も実力を発揮するであろうと考えられる。