海上自衛隊の補給艦
補給艦「さがみ」型   AOE "SAGAMI" Class
スペックデータ
基準排水量 5,000t
主要寸法  146x19.0x10.8x7.3m
(長さ、幅、深さ、喫水)
主機械 ディーゼル2基 2軸
馬 力 18,500PS
速 力 22kt
特殊装置   洋上補給装置一式
補給品艦内移送装置一式
定 員 130名
同型艦 AOE-421「さがみ」
AOE421「さがみ」
補給艦「さがみ」について
艦隊に随伴して燃料だけでなく食料や弾薬などの補給をおこなう艦として建造された。それまで海上自衛隊には補給艦「はまな」があったが、「はまな」は燃料補給のみの艦隊随伴タンカーであったため、この「さがみ」の就役により初めて艦隊行動の制約が減ったといえよう。
 船体中央部に高くそびえる補給ステーションが特徴的で、船体前部の第1/2ステーションは船舶燃料を中央の第3/4ステーションはドライ・カーゴ(食料や弾薬、その他の物資)を移送するもの、最も艦橋に近い第5/6ステーションは船舶燃料と航空燃料の兼用となっている。これらのステーションを使用して航行中でも当艦の両舷に自衛艦を配置して同時に燃料・物資の移送が可能となっている。また後部甲板はヘリ甲板となっており、輸送ヘリを使用しての航空移送も可能となっている。
なお「さがみ」は、平成17年3月に除籍となっている。
補給艦「とわだ」型  AOE "TOWADA" Class
スペックデータ
基準排水量  8,100t(ときわ以降8,150t)
主要寸法    167x22.0x15.9x8.1m
(ときわ以降喫水8.2m)
(長さ、幅、深さ、喫水)
主機械 ディーゼル2基2軸
馬 力 26,000PS
速 力 22kt
特殊装置        洋上補給装置一式
補給品艦内移送装置一式
定 員 140名
同型艦 AOE-422「とわだ」 AOE-423「ときわ」
AOE-424「はまな」
AOE422「とわだ」
補給艦「とわだ」型について
老朽化した補給艦 「はまな」の代艦として建造された艦。ただし「はまな」のように艦隊随伴タンカーとしてではなく 「さがみ」の拡大改良版として建造された艦隊随伴補給艦である。
 「さがみ」同様に船体上部に補給ステーションを持ち、航行中でも他艦へ補給が行えるようになっている。また燃料移送や補給物資の艦内移動装置などが自動化され補給活動の省力化・短時間化が図られている。船体は「さがみ」よりも大型化し搭載能力向上が図られている。
 後部甲板は「さがみ」同様にヘリ甲板となっているが、今後導入されるかもしれない大型輸送ヘリでも着艦できるように余裕を持たせたサイズとなっている。
 当クラスは合計3隻が建造され、これで海上自衛隊保有の補給艦は4隻となり各護衛隊群に1隻ずつの随伴が可能となった。
 なお、2番艦「ときわ」以降は居住性向上のため排水量が約50トンほど増加している。
補給艦「ましゅう」型  AOE "MASYUU" Class
スペックデータ
基準排水量 13,500t
主要寸法  221x27.0x18.0x8.0m
(長さ、幅、深さ、喫水)
主機械 ガスタービン2基2軸
馬 力 40,000PS
速 力 24kt
特殊装置     洋上補給装置一式
補給品艦内移送装置一式
定 員 145名
同型艦 AOE-425「ましゅう」 AOE-426「おうみ」
AOE425「ましゅう」
補給艦「ましゅう」について
「とわだ」型が就役して各護衛隊群に1隻ずつ補給艦を配備する体制が整った海上自衛隊であったが、近年の海外派遣や米海軍との共同行動などの国際貢献や大規模災害派遣等の可能性、また現有補給艦のドック入り等による欠員を考慮して平成12年度予算から新補給艦の建造を実施することになった。
 「とわだ」型に比べ5,000トンも大型化した当クラスは形状こそ既存補給艦の拡大型にしか見えないものであるが、機関をガスタービン化することで最高速度を24ノットとし緊急展開や護衛艦艇との連携に支障が無いようにされ、艦上構造物は若干ステルス性に配慮された形状となり、艦後部にはヘリコプター用格納庫も設置され(ただし艦に所属する機体は無い)、自衛用として20mmCIWSが搭載可能となるなど、補給艦として新機軸な設計も盛り込まれている。