このマシンは、NEC NX−RシリーズのマイクロATXパソコンです。
このタイプは、チップセットにSiS530を採用し、マザーボードも設定の柔軟性を持っていて、メーカ製パソコンとは思えない作りです。しかも低価格パソコンとして販売されていました。
はっきり言って初級者の方にはあまりおすすめできないパソコンですが、上級者には、いろいろ楽しめるパソコンです。
このマシンは、CPUがK6−2 350MHzでそのまま使っていても特に問題はないでしょうがCPUパワーが必要なアプリケーションの動作にはやや力不足を感じます。
またハードディスクは6.4GBを搭載していますが、空きシャドウベイを1つ持っているので、ハードディスクの増設は容易です。
さらにビデオチップは、SiS530に統合されていてオンボードですが、これは力不足ですので、PCIビデオカードを搭載したいところです。 |
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NEC VR35L/75 |
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まずCPUの交換ですが、ここではK6−V 450MHzを搭載することにします。
まずSocket7環境では最強の環境です。
ただしコア電圧が2.4Vで、K6−2は2.2Vなので、そのままでは使えないでしょう。
マザーボードのジャンパースイッチの設定でコア電圧を変更できますが、2.4Vという設定は、見あたりません。
しかしちゃんと隠し設定があります。
マザーボード上のジャンパスイッチを次のように設定してください。 |
電圧 |
JP11 |
JP12 |
JP13 |
JP14 |
JP15 |
2.4V |
OPEN
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OPEN
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CLOSE
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OPEN
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OPEN
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さらにクロック倍率を4.5倍に設定します。これはマザーボード上に明記されているので問題はないはずです。
これでCPUを交換すれば問題なく動作します。
後は、WriteAllocateMonitorUをインストールすればOKです。
次にハードディスク周りの問題ですが、実は最近のNECパソコンのチップセットはUltraDMA/66に対応しています。
もちろんハードディスクも対応しているのですが、なぜかケーブルが対応していないのです。
はっきり言ってNECの意図が分からないのですがこのマシンもチップセットがSiS530でUltraDMA/66に対応していますし、ハードディスクはFireball−CR6.4なのでこれもUltraDMA/66に対応しています。
そこでケーブルをUltraDMA/66のものに交換し、ハードディスクは、IBM製DPTA−372050(7200rpm、20GB)を起動ドライブとして、増設しました。
これで全く問題なく動作しています。しかもやはりBIOS画面を見るとUDMAモード4(つまりUltraDMA/66)で動作していました。
最後にビデオカードですが、チップセット内蔵のビデオ機能を切り離さないといけないのでマザーボード上のジャンパースイッチで設定しました。
これはマニュアルにも明記されていました。
ここではVoodoo3 2000PCIを搭載しましたが、全く問題なく動作しています。
パワーアップ前後の仕様を一覧表にしました。 |
項目名 |
パワーアップ前(標準)
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パワーアップ後 |
CPU+クロック |
K6−2 350MHz
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K6−V 450MHz
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主メモリ
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64MB SDRAM 100MHz
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128MB SDRAM 100MHz
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グラフィック
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SiS530 8MB
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Voodoo3 2000PCI 16MB
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ハードディスク
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6.4GB UltraDMA/33
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20GB+6.4GB UltraDMA/66
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CD−ROM/R/RW
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標準×32
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MCW6424DVD
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以前、Monsterfusion(VoodooBanshee)を搭載したときは、正常に動作しなかったのですが、今回は成功しました。
現在のマシンの性能をベンチマークソフト HDBENCH3.22で測定してみました。 |