気仙沼線・大船渡線BRT(けせんぬません・おおふなとせんビーアールティー)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営するバス高速輸送システム(BRT)の気仙沼線BRTおよび大船渡線BRTの総称である。
営業区域は宮城県石巻市、登米市、本吉郡南三陸町、気仙沼市、岩手県陸前高田市、大船渡市にわたる。
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた、JR東日本の気仙沼線柳津駅 - 気仙沼駅間、大船渡線気仙沼駅 - 盛駅間の復旧手段として導入されたBRTである。
これらの区間の代行輸送として、気仙沼線区間では2012年(平成24年)8月20日よりBRTの暫定運行(バス代行)を開始し、同年12月22日から自動車事業許可に基づく本格運行に移行した。同じく大船渡線区間では2013年(平成25年)3月2日からBRTが運行されている。当初は鉄道の仮復旧という位置づけであったが、沿線自治体との合意により鉄道に代わる最終的な復旧手段となった。
BRTとしての主な特徴は、鉄道敷をバス専用道に転換して速達性・定時性の確保を図っていることであるが、鉄道駅があった地点に停車することを基本としつつ、地元自治体からのまちづくり上の要請に基づき、ルートの変更や駅の移設、新駅の追加が行われている。
BRTでは運行状況が確認できるロケーションシステムが導入されたほか、既存駅舎の改良やBRT用の駅舎の整備、踏切が交差点となることに伴う交通規制標識・信号の設置などが専用道の延伸にあわせて順次行われた。交差点では交通管理者の協力を受け、交差道路側の一時停止、感応式信号機の設置、現示サイクルの調整等により、基本的にBRT車両が停止せずに走行できるようになっている。
専用道上では待避所を設置して対向便との交換が行われている。待避所の設置は乗務員が目視で確認できる距離とし、トンネル等の待避所を設置するのが難しい区間では、合図信号機システムを設けて車両進入を制御している。
BRTの運行計画および施設管理業務は、運行開始当初はJR東日本本社の復興企画部管轄下に気仙沼線BRT営業所を配置し行われた。後に大船渡線BRTの運行開始に伴い気仙沼BRT営業所への改称、盛岡支社への移管を経て、2022年3月12日より駅とBRT営業所を統合した気仙沼統括センターで実施している。JR東日本にはバス運行のノウハウがないことや、地域のバス事業者との共存を図るため、運行に関する業務は気仙沼線BRTがミヤコーバス(津谷営業所、気仙沼営業所、佐沼営業所)に、大船渡線BRTが岩手県交通(大船渡営業所、同高田支所)に委託されている。また大船渡線BRTでは、鉄道からのルート変更により上鹿折駅を経由しなくなることから、ミヤコーバス鹿折金山線の気仙沼駅前
- 上鹿折駅前間をBRT区間として運行している。
2016年(平成28年)には、公共交通を維持する選択肢を示した意義を評価され、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞(グッドデザイン金賞)を受賞した。
BRTが導入された区間の鉄道については2019年(令和元年)11月12日に廃止する旨の届出が行われ、2020年(令和2年)4月1日に廃止された。
| 気仙沼線・大船渡線BRT 路線データ |
| 管轄・路線距離 |
東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
一ノ関駅 - 気仙沼駅間 62.0 km |
| 軌間 |
1,067mm |
| 駅数 |
14(起終点駅含む) |
| 複線区間 |
なし(全線単線) |
| 電化区間 |
なし(全線非電化) |
| 閉塞方式 |
特殊自動閉塞式(電子符号照査式) |
| 運転指令所 |
一ノ関運行センター(一ノ関CTC) |
| 最高速度 |
85 km/h |
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| 前谷地駅 |
柳津駅 |
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| 陸前横山駅 |
陸前戸倉駅 |
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| 志津川駅 |
南三陸町役場・病院前駅 |
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| 志津川中央団地駅 |
清水浜駅 |
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| 歌津駅 |
陸前港駅 |
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| 蔵内駅 |
陸前小泉駅 |
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| 本吉駅 |
小金沢駅 |
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| 大谷海岸駅 |
大谷まち駅 |
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| 陸前階上駅 |
最知駅 |
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| 岩月駅 |
松岩駅 |
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| 赤岩港駅 |
気仙沼市立病院駅 |
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| 南気仙沼駅 |
不動の沢駅 |
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| 東新城駅 |
気仙沼駅 |
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| 内湾入口(八日町)駅 |
鹿折唐桑駅 |
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| 八幡大橋(東陵高校)駅 |
上鹿折駅 |
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| 唐桑大沢駅 |
長部駅 |
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| 陸前矢作駅 |
陸前今泉駅 |
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| 奇跡の一本松駅 |
竹駒駅 |
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| 栃ヶ沢公園駅 |
陸前高田駅 |
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| 高田高校前駅 |
高田病院駅 |
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| 脇ノ沢駅 |
西下駅 |
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| 小友駅 |
碁石海岸口駅 |
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| 細浦駅 |
大船渡丸森駅 |
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| 下船渡駅 |
大船渡魚市場前駅 |
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| 大船渡駅 |
地ノ森駅 |
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| 田茂山駅 |
盛駅 |
歴史
気仙沼線
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では気仙沼線全線が不通となった。特に、地震による津波で陸前戸倉駅、志津川駅、歌津駅、陸前港駅、陸前小泉駅、小金沢駅、最知駅、松岩駅、南気仙沼駅が流失、津谷川橋(気仙沼市本吉町:陸前小泉駅
- 本吉駅間)が落橋、各所で路盤・築堤が流失(消失)するなど、沿岸部を通る陸前戸倉駅 - 南気仙沼駅間は壊滅した。同年4月29日には前谷地駅
- 柳津駅間が復旧したが、残る区間の復旧は自治体の復興計画において路線の変更があるために年単位になることをJR東日本は明らかにしていた。JR東日本は不通区間の鉄路復旧について、自社で負担する震災前の状態への復旧費300億円、公的支援が必要なルート移設などにかかる400億円の合計700億円の費用[新聞
1]や利用者数減少の見込みから断念する意向を示した。
不通区間については2012年(平成24年)5月にBRT方式での仮復旧に沿線自治体が合意し、同年内のBRTの運行開始を目指して工事が始まり、同年8月20日よりバス代行運転扱いで暫定的な運行を開始した。同年12月22日より、JR東日本がバス事業者となりBRTの本格運行を開始した。
2021年(令和3年)12月27日に大谷海岸駅 - 陸前階上駅間で専用道が供用開始されたことで、予定された専用道の整備が全て完了した。専用道を使用せずに一般道を走行するのは、以下の箇所となる。
前谷地駅 - 柳津駅間
この区間は鉄道路線が存続しているが、石巻線との接続の利便性を図るためBRTも運行しており、BRTは旧北上川を挟み鉄道路線の東側に並行する県道を走行する。BRTの区間に途中停車駅は設けられていない。
陸前戸倉駅 - 清水浜駅間
旧志津川駅付近にあった南三陸町役場や公立志津川病院(→南三陸病院)が移転し、周辺は南三陸町震災復興祈念公園として整備された。BRTは一般道で役場・病院の移転先を含む市街地を経由するルートとなり、旧志津川駅の前後1
kmの区間は、JR東日本が再整備を行った上で南三陸町に譲与された。
本吉駅 - 大谷まち駅間
JR東日本は防災上の懸念からこの区間を従前の位置で復旧することに否定的であり、海岸沿いを経由する小金沢駅西側から大谷海岸駅東側にかけて、BRTは山側に並行する国道45号を走行する。大谷海岸駅付近では防潮堤と国道45号が一体化して整備され、国道と並行していた鉄道跡地も防潮堤の用地となった。
松岩駅 - 気仙沼市立病院駅 - 南気仙沼駅間
ほとんどの便は、赤岩港駅を経由する専用道を走行するが、一部の便は国道45号の気仙沼バイパス沿いにある気仙沼市立病院駅経由の一般道を走行する。市立病院の移転に伴い気仙沼市立病院駅が開業した当初は実証運行という位置づけだったが、その後本運行となり、専用道とは異なるルートとして常設化された。
大船渡線
2011年(平成23年)の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では沿岸部で津波による大きな被害を受けた。
駅舎は竹駒駅 - 細浦駅の各駅と大船渡駅が流失し、橋梁は陸前矢作駅 - 竹駒駅間の気仙川橋梁が橋脚から押し流されるなど3箇所が流失した。
不通区間の気仙沼駅 - 盛駅間では2013年3月よりBRTの運行を開始した。JR東日本は不通区間の鉄路での復旧について、自社で負担する原状復旧費130億円、沿線自治体などの公的支援が必要な安全面やまちづくりにかかる270億円の総額400億円の費用に加えて、利用者数減少の見込みから断念する意向を示した。
2024年(令和6年)3月16日、陸前矢作駅 - 竹駒駅間の気仙川橋梁の再建が完了し、この橋梁周辺の専用道を供用開始したことで、予定された専用道の整備が全て完了した。専用道を使用せずに一般道を走行するのは、以下の箇所となる。
気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅 - 上鹿折駅間
気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅間は専用道が整備されており、盛方面へ運行するBRTは専用道を走行するが、上鹿折駅方面を運行するミヤコーバス鹿折金山線は大船渡線BRT扱いの区間も含めて全区間一般道を走行する。
鹿折唐桑駅 - 長部駅 - 陸前高田駅間
BRTの運行にあたって、県境を跨ぐこの区間は旧鉄道の経路より距離が短く道路整備も良好な国道45号を経由している。この経路から外れた鹿折唐桑駅 - 上鹿折駅 - 陸前矢作駅間の鉄道跡地及び上鹿折駅 - 陸前矢作駅間の県境に所在する飯森トンネルは活用されておらず、上鹿折駅と陸前矢作駅の両駅間を直接つなぐBRTは運行されていない。JR東日本は専用道整備に係る費用対効果の面で鹿折唐桑駅 - 陸前矢作駅間の専用道化については消極的である。陸前高田市は二又地域住民の要望として陸前矢作駅より上鹿折駅方面に通じる区間の専用道化を取り上げているが、気仙沼市では現行ルートでの運行を前提に唐桑大沢駅を整備したことやミヤコーバス鹿折金山線のBRT運賃が住民に浸透しつつあることから、市としては取り上げていない。
竹駒駅 - 浜田川橋梁付近
区画整理事業によりかさ上げ地に換地された陸前高田駅付近を含め、鉄道跡地に相当する空間は確保されたが、この経路から外れた地点に栃ヶ沢公園駅、高田高校前駅、高田病院駅が設置されており、専用道が整備される計画はない。なお、鉄道跡地の一部は高田松原津波復興祈念公園や高田松原運動公園の園地に取り込まれている。
浜田川橋梁付近 - 小友駅
周辺が移転促進区域に指定されていることから、JR東日本は当初よりこの区間を従前の位置で復旧することに否定的であり、鉄道跡地は活用されていない。陸前高田市は米崎・小友地区住民の要望としてこの区間の遊歩道化を取り上げている。
年表
鉄道の仮復旧としてのBRTの運行開始
- 2011年(平成23年)3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生により気仙沼線・大船渡線全線が不通となる。気仙沼線前谷地駅 - 柳津駅間と大船渡線一ノ関駅 - 気仙沼駅間は4月までに運転を再開。
- 2012年(平成24年)
- 5月7日:JR東日本が提示した気仙沼線のBRT方式による“仮復旧”に対して、沿線の気仙沼市、南三陸町、登米市が合意。
- 5月21日:陸前階上 - 最知間でBRT方式のための工事開始。
- 8月1日:気仙沼線BRTの運営を担う組織として、本社の復興企画部直轄の「気仙沼線BRT営業所」を大船渡線営業所に隣接して開所。BRT運行に併せて宮城県バス協会に入会したことにより、JR東日本グループ2社(ジェイアールバス東北・JR東日本)が同協会に加盟することとなった上に、JR東日本では1988年に一度バス事業を分社化して撤退して以来24年ぶりにバス事業者への復帰を正式に果たした。
- 8月20日:陸前階上 - 最知間の専用道化工事完成に伴い、柳津 - 気仙沼間でバス代行運転扱いとしてBRTによる暫定サービス提供開始。ミヤコーバスによるバス振替輸送は前日8月19日の運行をもって終了。【駅新設】ベイサイドアリーナ
- 10月4日:大船渡線のBRTによる仮復旧に沿線の大船渡市、陸前高田市、気仙沼市がJR東日本と合意。
- 12月22日:柳津 - 気仙沼間のBRTの本格的な運行を開始。同時に、歌津 - 陸前港間の専用道供用開始。
- 2013年(平成25年)
- 2月1日:気仙沼線BRT営業所が大船渡線BRTの運営も担うため「気仙沼BRT営業所」に改称。これに合わせてJR東日本が岩手県バス協会にも入会。
- 3月2日:大船渡線BRT運行開始。大船渡駅 - 盛駅間で専用道 (1.9 km) が供用開始。長部駅(鹿折唐桑駅 - 陸前高田駅間)、高田病院駅(陸前高田駅 - 脇ノ沢駅間)を新設。高田病院駅 - 下船渡駅間で国道45号を経由する便は脇ノ沢駅・小友駅・細浦駅を経由しないこととされた。
- 4月25日:気仙沼線BRTダイヤ改正。本吉 - 小金沢、大谷海岸 - 陸前階上、最知 - 松岩、不動の沢 - 気仙沼の4区間で専用道供用開始。専用道延長は合計で
11.6 km となる。
- 7月13日:臨時駅として、奇跡の一本松駅(長部駅 - 陸前高田駅間)を新設。
- 8月3日:上鹿折方面を除くBRT区間にBRT専用ICカード乗車券「odeca」を導入。
- 9月5日:気仙沼線BRTダイヤ改正。陸前戸倉 - 志津川、志津川 - 清水浜、陸前港 - 陸前小泉の3区間で専用道供用開始。専用道延長は合計で 21.7 km となる。
- 9月28日:大船渡線BRTダイヤ改正。竹駒駅付近および小友駅 - 大船渡駅間の専用道が供用開始(専用道の距離が 3.2 km から 13.7
km に)、高田病院駅 - 下船渡駅間で国道45号を経由する便を廃止。碁石海岸口駅(小友駅 - 細浦駅間)を新設。
- 2014年(平成26年)
- 4月17日:気仙沼線BRTダイヤ改正。不動の沢 - 気仙沼間で専用道区間延長。専用道延長は合計で 22.7 km となる。
- 10月1日:奇跡の一本松駅を常設化。
- 2015年(平成27年)
- 3月14日:大船渡線BRTダイヤ改正。高田高校前駅(陸前高田駅 - 高田病院駅間)を新設。気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅間の専用道が供用開始。ICカード「Suica」の取り扱い開始(上鹿折方面を除く)。
- 6月27日:気仙沼線BRTダイヤ改正。前谷地駅 - 柳津駅間でBRTの運行を開始。
- 10月5日:歌津駅 - 陸前小泉駅の専用道が河川工事により使用停止。
- 12月5日:大船渡魚市場前駅(下船渡駅 - 大船渡駅間)を新設。
- 12月25日:大船渡線のBRTによる本復旧に沿線の大船渡市、陸前高田市、気仙沼市がJR東日本と合意。
- 2016年(平成28年)3月18日 : 気仙沼線のBRTによる本復旧に沿線自治体がJR東日本と合意。
BRTでの本復旧決定後
- 2017年(平成29年)
- 4月1日:大船渡線BRTダイヤ改正。八幡大橋(東陵高校)駅(鹿折唐桑駅 - 長部駅間)を新設。
- 4月27日:大船渡線BRTダイヤ改正。まちなか陸前高田駅(陸前高田駅 - 高田高校前駅間)を新設。
- 11月2日:ダイヤ改正。気仙沼市立病院駅を新設。
- 2018年(平成30年)
- 4月1日:大船渡線BRTダイヤ改正。陸前高田駅を移設し、移転先付近にあったまちなか陸前高田駅を廃止、移転元付近に栃ヶ沢公園駅(竹駒駅 - 陸前高田駅間)を新設。一部の便は高田高校前駅・高田病院駅を経由しないこととしスピードアップ。
- 7月1日:気仙沼線BRTダイヤ改正。柳津駅 - 陸前戸倉駅、最知駅 - 松岩駅の2区間で専用道供用開始。志津川中央団地駅を新設。ベイサイドアリーナ駅を南三陸町役場・病院前駅に改称。
- 8月1日:脇ノ沢駅 - 小友駅間で専用道区間延長。
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 1月29日:竹駒駅周辺でJR東日本など7社が2018年12月から2019年3月まで実施している自動運転バスの実験を、報道陣に公開。
- 3月16日:ダイヤ改正。岩月駅(最知駅 - 松岩駅間)、唐桑大沢駅(八幡大橋〈東陵高校〉駅 - 長部駅間)及び西下駅(脇ノ沢駅 - 小友駅間)を新設。陸前矢作駅を移設し、陸前矢作駅
- 竹駒駅間で専用道区間延長。
- 6月15日:気仙沼線BRTダイヤ改正。清水浜 - 歌津間で専用道供用開始。
- 10月13日:令和元年東日本台風(台風19号)の影響により、陸前横山 - 陸前戸倉間および清水浜 - 歌津間の専用道で土砂が流入する被害を受ける。これに伴い、柳津
- 陸前戸倉間および志津川中央団地 - 陸前港間の専用道が使用停止となり、一般道での迂回運転を実施。令和元年東日本台風の影響により、下船渡駅
- 大船渡魚市場前駅間の専用道で土砂が流入、大船渡魚市場前駅 - 大船渡駅間の専用道で路肩が崩落する被害を受ける。これに伴い、小友駅 - 盛駅間の専用道が使用停止となり、一般道での迂回運転を実施。
- 10月27日:柳津 - 陸前戸倉間および志津川中央団地 - 陸前港間の専用道が使用再開し、一般道での迂回運転を解除。小友駅 - 盛駅間の専用道が使用再開し、一般道での迂回運転を解除。
- 11月1日:気仙沼線BRTダイヤ改正。2015年10月5日から使用停止となっていた区間を含む、陸前港駅 - 本吉駅で専用道供用開始。
- 11月12日:JR東日本がBRT運行区間の鉄道事業廃止届を提出。
- 2020年(令和2年)
- 1月31日:JR東日本がBRT運行区間の鉄道事業の廃止日を繰り上げる旨の届出を提出。
- 3月14日:ダイヤ改正。気仙沼線BRTでは松岩駅 - 不動の沢駅間の専用道供用開始に伴い、南気仙沼駅を専用道上に移設するとともに赤岩港駅を新設。気仙沼市立病院駅を経由する便は削減された上で、移転後の南気仙沼駅を回り込む形で専用道に合流する。大船渡線BRTでは陸前今泉駅・大船渡丸森駅・地ノ森駅・田茂山駅を新設。陸前今泉駅・高田高校前駅・高田病院駅を通過する便は快速と表示するようになる。平日朝に大船渡線BRT鹿折唐桑駅発・気仙沼線BRT本吉駅行きの直通便を運行開始。
- 4月1日:BRT運行区間の鉄道事業を廃止。
BRT導入区間での鉄道事業廃止以降
- 2020年(令和2年)
- 4月25日:大船渡線BRTにおいて、同日発生した国道45号の通行止めの影響に伴い、気仙沼駅 - 奇跡の一本松駅間で当面の間運転見合わせとなる。
- 4月29日:大船渡線BRTにおいて、国道45号の通行止めの解除に伴い、気仙沼駅 - 奇跡の一本松駅間で運転再開。
- 2021年(令和3年)
- 1月18日 - 3月15日:気仙沼線BRT柳津駅 - 陸前横山駅間のBRT専用道でBRT自動運転実証実験を実施。
- 3月13日:ダイヤ改正。気仙沼線BRTでは大谷海岸駅を道の駅大谷海岸へ移設(同年3月28日実施)するため前後の駅間所要時間を1分延長し、早朝に陸前小泉駅始発の志津川駅行き快速便を新設。大船渡線BRTでは八幡大橋(東陵高校)駅
- 唐桑大沢駅間の経路を3月6日に新規開通した三陸道気仙沼鹿折IC経由に変更し、早朝に陸前高田駅発気仙沼駅行きの快速便を新設。
- 4月26日 - 9月30日:気仙沼線BRT柳津駅 - 陸前横山駅間のBRT専用道で、バス自動運転の実証実験を実施。
- 9月14日 - 9月19日:気仙沼線BRT柳津駅 - 陸前横山駅間のBRT専用道で、自動運転バス試乗会を実施。
- 12月27日:気仙沼線BRTの大谷海岸駅 - 陸前階上駅間でBRT専用道が完成し、供用を開始。
- 2022年(令和4年)
- 3月12日:ダイヤ改正。気仙沼線BRTで大谷まち駅・東新城駅、大船渡線BRTで内湾入口(八日町)駅を新設。大船渡線BRTの高田病院駅 - 脇ノ沢駅間の経路変更により普通便の所要時間を4分短縮。気仙沼駅
- 陸前高田駅間で日中時間帯に1往復設定し、夜間の運行本数を見直し。
- 10月1日:道の駅さんさん南三陸開業に伴い志津川駅が道の駅さんさん南三陸敷地内に移転。
- 12月5日:気仙沼線BRT柳津駅 - 陸前横山駅間で、一部の便での自動運転を開始。
- 2023年(令和5年)
- 3月18日:ダイヤ改正。両線ともパターン的なダイヤ設定を行い、一部の便のダイヤを見直し。気仙沼線BRTでは通学時間帯に増便。
- 4月4日:気仙沼線BRTで実施している自動運転について、自動運転区間の延伸、自動化レベル2から4への引き上げを2024年秋頃までに目指すことをJR東日本が発表。
- 2024年(令和6年)
- 3月16日:ダイヤ改正。気仙沼線BRTでは前谷地駅 - 柳津駅間、小金沢駅 - 大谷海岸駅間、松岩駅 - 気仙沼市立病院駅 - 南気仙沼駅間の運転時分見直しにより所要時間を短縮。大船渡線BRTでは陸前矢作駅 - 竹駒駅間の専用道供用開始、栃ヶ沢公園駅周辺 - 陸前高田駅間の経路見直しにより所要時間を短縮。終点駅の1つ手前の駅で、その先の乗客がいない場合に運行を終了することができる「効率的な運行」を開始。
- 3月22日:国土交通省東北運輸局が、気仙沼線BRT柳津駅 - 陸前横山駅間での自動運転レベル4を認可。
- 10月28日:気仙沼線BRTでの自動運転レベル4の運転開始時期について、2024年秋頃としていた予定を見直すことをJR東日本が発表。
- 2025年(令和7年)3月15日:ダイヤ改正。両線の一部便で運転取りやめや運転区間短縮を行う。その他、大船渡線ダイヤ見直しに伴う変更や栃ヶ沢公園駅 - 陸前高田駅間の所要時間短縮を実施。
- 2026年(令和8年)3月14日:ダイヤ改正。一部の便で時刻変更を実施。
運行形態
本節の記述は、2026年(令和8年)3月14日改正のダイヤ、および当日時点の走行ルートに基づく。便数の記述は特記がない限り平日ダイヤのものであり、土曜・休日は一部の便が運行されないほか、土曜・休日のみ運転される便も設定されている。

気仙沼線BRT
平日ダイヤにおいて下り34便、上り32便が設定されている。前谷地駅 - 気仙沼駅を運行する便のほか、柳津駅・陸前戸倉駅・志津川駅・本吉駅 - 気仙沼駅、柳津駅 - 本吉駅(上り初発便および下り最終便のみ)に区間便が設定されており、気仙沼駅に向かって本数が増加していく。また、平日のみ朝の上り1便が大船渡線BRT鹿折唐桑駅からの直通運転となる。
前谷地駅 - 柳津駅間は鉄道とBRTが並行して運行され、鉄道はこの区間で和渕駅・のの岳駅・陸前豊里駅・御岳堂駅に停車するが、BRTはノンストップである。
早朝に上りの快速便1便が陸前小泉駅 - 志津川駅間で設定されている。終点の志津川駅(道の駅さんさん南三陸)にて南気仙沼駅発仙台駅方面行きの高速バス(ミヤコーバス仙台 - 南三陸線)に接続が図られ、高速バスの経由しない専用道沿い各駅の利便性が確保されている。
松岩駅 - 南気仙沼駅間は、専用道上の赤岩港駅と、一般道上にある気仙沼市立病院駅のいずれかを経由する。気仙沼市立病院駅を経由する便は毎日3往復で、すべて本吉駅発着である。その他の便は赤岩港駅を経由する。
柳津駅 - 気仙沼駅間の大半が鉄道から転換されたバス専用道となっている。また、柳津駅 - 陸前横山駅間は自動運転を行うことが可能となっている。
大船渡線BRT(盛方面)
気仙沼駅、陸前矢作駅を起点に、陸前高田駅で合流して盛駅へ向かう運行形態となっている。気仙沼駅 - 盛駅、陸前矢作駅 - 盛駅の通し運転を主体に、気仙沼駅 - 陸前高田駅間、陸前矢作駅 - 陸前高田間、陸前高田駅 - 盛駅間の区間便も設定されている。
区間ごとの便数は、いずれも平日ダイヤで気仙沼駅 - 陸前高田駅間が下り15便・上り14便、陸前矢作駅 - 陸前高田駅間が下り・上りとも17便、陸前高田駅 - 盛駅間が下り・上りとも25便である。また、気仙沼駅 - 盛駅間の一部の便(区間便も含む)は快速として、陸前今泉駅・高田高校前駅・高田病院駅を経由せずに運行している。
この他、平日のみ鹿折唐桑駅始発で気仙沼線BRTへ直通する上り1便が設けられている。
気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅間、陸前矢作駅 - 竹駒駅間、小友駅西側 - 盛駅間がバス専用道となっている。
八幡大橋(東陵高校)駅 - 唐桑大沢駅間では高速道路(三陸道気仙沼鹿折IC - 唐桑小原木IC間)を経由する。BRTの車両は座席にシートベルトがなく、立って乗車する場合もあることから、保安基準の緩和を受けた上で、三陸道では時速60キロメートルを上限として走行しており、車両の前後にその旨の表示がある。
大船渡線BRT(上鹿折方面)
ミヤコーバスの一般バス路線である鹿折金山線の気仙沼駅前 - 鹿折唐桑駅前 - 上鹿折駅前間をBRT扱いとして、平日5.5往復・土休日4.5往復を運行している。すべての便がBRT区間外の田谷本郷・気仙沼市立病院・市営牧沢住宅方面(便により異なる)および鹿折金山前へ乗り入れており、BRT区間内のみを運行する便はない。
JR東日本の駅として乗車券が発行される気仙沼駅・鹿折唐桑駅・上鹿折駅のほか、気仙沼駅前 - 鹿折唐桑駅前間にある9か所、鹿折唐桑駅前 - 上鹿折駅前間にある14か所の停留所を全便が経由する。また、大橋
- 鹿折住宅団地前 - 大橋 - 上鹿折駅前( - 鹿折金山前)間はフリー乗降区間(停留所以外でも乗降可能)となっている。
なお、本系統は全区間で一般道を経由するため、気仙沼駅 - 鹿折唐桑駅間にある内湾入口(八日町)駅に対応する停留所は設置されていない。JR東日本アプリやYahoo!乗換案内などの乗換案内サービスでは、本系統の気仙沼市役所前停留所の時刻を内湾入口(八日町)駅のものと記載しているが、JR東日本公式サイトにおける内湾入口(八日町)駅の時刻表では上鹿折駅発着の便は記載がなく、扱いが分かれている。
自動運転の導入
2022年(令和4年)12月、気仙沼線BRTの一部区間および一部の便で自動運転が導入された。本節ではその概要について記述する。
なおJR東日本によれば、後述する自動運転区間の延伸および自動運転レベル引き上げのため、2023年(令和5年)5月1日より自動運転バスの運用を休止している。
自動運転の実施内容
気仙沼線BRTの柳津駅 - 陸前横山駅間において、上下それぞれ2便で自動運転を実施する。いずれも柳津駅 - 気仙沼駅間で運行する便であり、その一部区間で自動運転を実施する形となる。最高速度は時速60キロメートルで、自動運転中も運転手が乗車して安全管理を行うほか、強風、豪雨、濃霧、積雪などの悪天候時には手動運転とする場合がある。自動化レベルは運転手が主体となる「レベル2」である。
自動運転を実施するバスには、実用化にあたり専用の外観デザインが施されている。
実用化までの取り組み
自動運転の実用化まで、以下の取り組みが実施された。詳しい時期については歴史の節を参照のこと。
- 2018年度(平成30年度) - 大船渡線BRT 竹駒駅付近のバス専用道(片道0.4 km)で実証実験を実施。小型バスを使用し、最高速度は時速40キロメートルだった。
- 2019年度(令和元年度) - 実用化区間となった柳津駅 - 陸前横山駅間(往復9.6 km)で実証実験を実施。大型路線バスを使用し、最高速度は時速60キロメートルだった。
- 2020年度(令和2年度) - 既存のBRT車両をベースに、JR東日本において自動運転バスの製作を行った。
- 2021年度(令和3年度) - 柳津駅 - 陸前横山駅間(往復9.6 km)で実証実験を実施。2021年9月には試乗会が実施された。
- 2022年度(令和4年度) - 柳津駅 - 陸前横山駅間(往復9.6 km)で実証実験を実施。12月1日 - 4日には試乗会が行われ、12月5日より実用化を開始した。
導入された技術
気仙沼線BRTでの自動運転の実用化にあたって、以下の技術が導入されている。
- 専用道の路面に埋設した直径30 mmの磁気マーカを車両側の磁気センサーで検知し、自車位置を推定する。一部の磁気マーカに含まれるRFIDタグの固有IDを検知することで、自車位置の高精度な推定を可能としている。
- 自車周囲の障害物検知にはLiDAR、ミリ波レーダ、3種のカメラ(単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラ)を使用する。単眼カメラは障害物の特徴を把握し、ステレオカメラは障害物までの距離を把握する用途となる。
- また、将来一般道区間で自動運転を導入することを視野に入れ、GNSS(衛星測位システム)アンテナも搭載されている。
- 交互通行システムや既設の信号機と無線ネットワークで連動し、手動運転バスとの交互通行を実施する。信号機がない待避所についても交互通行システムで管理し、自動運転バス、手動運転バスそれぞれに指示を送信する。自動運転バスは指示に従って走行し、手動運転バスではドライバーの端末に指示を表示する。
- 沿線に風速計を設置し、強風時には手動運転に切り替わる。
- 交互通行システムにおける他車の誤進入や、交互通行システム自体の異常が発生した場合は、自動運転バスは安全に手動運転に切り替わる。
自動運転区間の延長および自動運転レベルの引き上げ
自動運転開始時点では、自動運転の実施区間を柳津駅から続くバス専用道の終端となる志津川駅手前(陸前戸倉駅 - 志津川駅間、水尻川河口付近)まで延伸させる計画とされ、自動化レベルについてはレベル3や4への引き上げを視野に入れると報じられていた。
2023年(令和5年)4月4日、JR東日本は上記の自動運転区間延長および自動化レベル4の認証取得について、2024年(令和6年)秋頃までの実現を目指すことを公表した。これに伴い、自動運転バスの車両改修や認証取得に向けたテスト走行のため、5月1日より自動運転バスの運用を休止した。なお、自動化レベル4では一定の条件下での無人運転が可能となるが、気仙沼線BRTではレベル4の認証取得後も当面は有人運転を行うとしている。
2024年(令和6年)3月22日、国土交通省東北運輸局は、自動運転バスに搭載した自動運行装置(K-AITO)について柳津駅 - 陸前横山駅間での自動化レベル4を認可した。JR東日本はレベル4の認可について、東北地方で初めてであり、最高速度時速60キロメートルでの認可は日本で初めてとしている。
同年10月28日、JR東日本は各種試験や車両および地上設備の工事、関係省局への申請や手続きの進捗状況を勘案し、レベル4での自動運転の開始時期を見直すことを発表した。自動運転区間の延伸や走行試験に伴い柳津駅
- 水尻川AP間で実施していた迂回運転については、翌年2月28日まで延長された。
2025年(令和7年)9月8日から再度、同区間で走行試験等が実施され、2026年(令和8年)5月8日、JR東日本はこの区間において、自動運転レベル4での走行を実施することを発表した。レベル2での実用化と異なり、営業運転として通常ダイヤの一部で実施するものではなく、柳津駅から乗車し、志津川駅で折り返して柳津駅で下車する試乗的な形式となる。5月29日から7月4日までの金曜日・土曜日に実施される。また新たな目標として、2028年度までに水尻川AP
- 志津川駅間の一般道で自動化レベル4での走行を目指すとしている。
現在の使用車両
2026年(令和8年)4月時点でJR東日本が保有している車両数は35台であり、宮城県バス協会への登録が22台、岩手県バス協会への登録が13台である。
大船渡線BRTの気仙沼駅 - 上鹿折駅間の系統は、ミヤコーバスの車両を用いた路線バスをBRTとして扱っているため、本節の内容には含まない。
現行車両
ハイブリッドカーの大型車(日野・ブルーリボンシティハイブリッド、日野・ブルーリボンハイブリッド、いすゞ・エルガハイブリッド)および、ディーゼルカーの中型車(いすゞ・エルガミオ)が在籍しており、いずれもノンステップバスとなっている。JR東日本所有で、ジェイアールバス東北と同様の車両称号が付いている。
2019年9月に導入された日野・ブルーリボンハイブリッドは、行先表示器に白色LEDを導入し、車内に充電用のUSBコンセントを9か所設けるなど、従来の車両と異なる特徴がある。
2022年12月より営業運転に投入されたBRT専用大型自動運転バスは、既存の所有車両(ブルーリボンハイブリッド)をもとに製作された。 |