国鉄三国線(1972年3月1日廃止)
国鉄三国線の概要
かつては芦原駅だったあわら湯のまち駅
かつては芦原駅だったあわら湯のまち駅
国鉄三国線とは、金津駅(現・芦原温泉駅)-三国港駅(現・えちぜん鉄道三国港駅)間9.8kmを結んでいた、日本国有鉄道の鉄道路線です。
三国線は、北陸有数の港湾である三国港と北陸本線を結ぶ目的で、官設鉄道により1911年(明治44年)12月15日に金津 - 三国間(8.7km)が開業しています。
1913年(大正2年)1月1日には、三国港荷扱所まで三国駅の構内扱いで延伸しています。
1914年(大正3年)7月1日には、三国港扱所が三国港駅となって、季節営業ではありましたが三国 - 三国港間で旅客営業も開始しています。1927年(昭和2年)12月15日には通年旅客営業を開始しています。
1928年には、三国芦原電鉄(後の京福電気鉄道三国芦原線。現在のえちぜん鉄道三国芦原線)が芦原まで開業していて、翌年には三国町(後の電車三国)まで延長され、三国線と並行するようになっています。
三国芦原電鉄は1932年に東尋坊口までが全線開通していますが、三国芦原電鉄を合併した京福電気鉄道は太平洋戦争が激化した1944年(昭和19年)1月8日に不要不急線として電車三国 - 東尋坊口間を休止しています。
同年10月11日には国鉄三国線も不要不急線として全線が休止され、同日京福電鉄は三国線の三国-三国港間を電化して同区間に乗り入れを開始し、京福電鉄電車三国駅と国鉄三国駅が統合され、芦原-三国港間は京福電気鉄道が営業を継続しています。
終戦後の1946年(昭和21年)8月15日には、国鉄三国線(金津-芦原間4.5km)が復活しています。
国鉄三国線は、芦原温泉や東尋坊といった観光地を控えて関西方面からの直通列車も運転されていましたが、次第にモータリゼーションや競合する京福電鉄の影響を受けて、乗客数が減少し経営的には苦しい状況でした。
そして折からの国鉄赤字線の整理対象になり、1972年(昭和47年)3月1日に 金津 - 芦原間 (4.5km)、休止中の芦原 - 三国港間 (5.3km) が廃止となっています。ただし、芦原 - 三国港間は既に京福電鉄三国芦原線となって営業していたので、実質的には金津 - 芦原間が廃止となったことになります。
しかし三国線は路線としては廃止されたものの、現在でも全駅が存続しています。
このようなケースはかなり珍しいのではないかと思います。

路線データ
国鉄三国線
路線距離  金津 - 芦原間 4.5km
軌間  1,067mm
駅数  2駅(起終点駅含む)
複線区間  全線単線
電化区間  全線非電化
閉塞方式  タブレット閉塞式
開業年月日  1911年(明治44年)12月15日
廃止年月日  1972年(昭和47年)3月1日

国鉄三国線 駅一覧
駅名 駅間
キロ
営業
キロ
接続路線 ホーム 列車
交換
所在地
金津駅(芦原温泉駅) - 0.0km JR北陸本線 2面4線 あわら市春宮1丁目
芦原駅(あわら湯のまち駅) 4.5km 4.5km えちぜん鉄道三国芦原線 2面2線 あわら市温泉1丁目
 列車交換 注 ∨∧◇:列車交換可能  |:列車交換不可
国鉄三国線マップ
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