形式 |
バットレスダム |
用途 |
発電 |
所在地名 |
富山県富山市水須 |
位置 |
北緯36度31分24秒 東経137度23分20秒 |
河川名 |
常願寺川水系マッタテ川 |
ダム湖名 |
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着手/竣工 |
1927/1929 |
管理 |
北陸電力 |
堤高 |
堤頂長 |
堤頂幅 |
堤体積 |
堤頂標高 |
21.8m |
61.2m |
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4,000m3 |
EL750m |
流域面積 |
湛水面積 |
総貯水容量 |
有効貯水容量 |
23.1ku |
1ha |
26,000m3 |
23,000m3 |
小口川第二水力発電所 |
最大出力 |
使用水量 |
落差 |
形式 |
5,600kw |
3.14m3/s |
不明 |
ダム水路式 |
接近難易度(A-D) |
D |
徒歩で山道を1時間30分歩く |
開放度(A-D) |
B |
天端も通れます |
総合評価(A-D) |
B |
マニアにはお勧め |
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真立ダム全景 |
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真立ダム遠景 |
ダム湖は、極めて小さい |
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左岸側から天端を見る |
小口川第三発電所 |
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ダム排砂ゲート制御盤 |
バットレスの内部は補強工事がなされています |
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バットレスを右岸から見る |
右岸から堤体を見る |
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堤体上流側は傾斜しています |
右岸から天端を見る |
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取水設備 |
小口川軌道に台車がポツリと |
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左岸から堤体上流側を見る |
水利使用標識 |
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発電所から堤体を見る |
バットレスは幅が細いです |
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遠方から堤体を見る |
サージタンクがありました |
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サージタンクと水圧鉄管 |
水圧鉄管を跨ぐ橋の上から下を見下ろします |
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この道路は以前は小口川軌道があったようです |
水口建設の機材が置いてある地点が軌道の始点です |
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おお、有名なパジェロ号(改)ですね |
軌道の途中でポイントがあったりします |
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真立ダムとヘリポート |
新幹線ではとてもこんな急カーブは曲がれない |
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真立ダムは、日本に6基しかないバットレスダムのうちの1つです。
富山県にはバットレスダムとしてこの真立ダムと真川調整池ダムの2基が現存します。しかし残念ながらいずれも現地にたどり着くことが困難なダムです。
ここへ入るには、小口川第二発電所から坂道を登り、水口建設が運行する小口川軌道跡の山道、及び途中で出現する小口川軌道沿いに南下して小口川第三発電所へ入ればそこに真立ダムがあります。小口川第二発電所からの行程は約4kmです。
小口川軌道の距離は1.5km程度ですが、これ自体もけっこう見所がありますので、ここを訪れるときは写真撮影も忘れずに。
しかし不思議なことに道路の途中から軌道があるのですが、ではそこまでは物資をどうやって運んでいるのでしょうか。たぶんあの狭い道を軽トラックで運んでいるのでしょう。それなら発電所とダムがある地点まで軽トラックで運べばよいと思うのですが、そこはトラックで運ぶには狭い上に崩れやすいので、このように軌道を利用しているのだと思われます。
日本ダム協会のサイトでは「たどり着けるかどうかわからないらしい」とありましたが、途中が崩れていたり、熊に出会わなければ健脚の方ならたどり着けます。
バットレスダムは、重力式コンクリートダムに比べるとコンクリートの量が少なくて済み、経済的という理由から建設されたのですが、構造が複雑で地震に弱いので、大規模ダムには向いていない上にコンクリートが安価になり人件費が上昇したため、今では作られなくなりました。この真立ダムは、地質が悪いためにバットレスダムとして建設されたようです。
このダムは、土木学会の「日本の近代土木遺産〜現存する重要な土木構造物2000選
」に選定されています。
バットレスダムは、日本に6基しかないというたいへん貴重な土木建造物ですが、最初からの姿を保っているのは丸沼ダムだけと言われています。しかし真川調整池、真立ダムともそんなに手が加えられていないという気もしていたので今回調査してみましたが、バットレスの内部が補強されていたり、排砂ゲートを増設したりと、やっぱりそれなりに手が加えられていました。しかし比較的元のままの姿を保っているという事は事実といえるでしょう。
しかしもう少し簡単に行けられればいいのですが・・・。ほとんど幻のダムとしか言いようがない真立ダムでした。 |
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