海上自衛隊の哨戒機
●固定翼機
対潜哨戒機 P−3C  オライオン
スペックデータ
速力 (最大)395kt 
発動機  T56-IHI-14(ターボプロップエンジン)
4,910馬力×4基
機体 30.4x35.6x10.3(m)
(幅×長×高)
離陸重量 56,000kg
乗員 11名
武装  魚雷(Mk46・Mk54・97式短魚雷等)
爆雷(150kg対潜爆弾等)
機雷(Mk62 クイックストライク機雷等)
空対艦ミサイル(AGM-84、ASM-1C等)
空対地ミサイル(AGM-84H等)

ズーニー・ロケット弾
P−3C オライオン
P3−Cはロッキード社の旅客機L−188エレクトラの機体を流用し開発された。旅客機ベースである為胴体内スペースが広く、それまで使用されていた対潜哨戒機P−2ネプチューンの3倍の容積を持っている。また機内は与圧されているため操作員が軽装で作業できる点も重要である。対潜哨戒/攻撃任務が主であったが最近ではハープーン対艦ミサイルを搭載して対水上艦攻撃任務にも従事するようになっている。
P−3C型には順次改良が加えられており、改良度合いによってアップデート(UD)I〜III型と細かく別れている。
ちなみに日本の海上自衛隊が導入している機体はアップデートII.5およびIII相当の機体で、ほとんどが川崎重工でのライセンス生産である。
 哨戒機 P−1
スペックデータ
最大速度 538kt 
巡航速度  450kt 
発動機  F7-IHI-10 ターボファンエンジン、
6120kg ×4基
機体 35.4x38.0x12.1m (幅×長×高)
最大離陸重量 79,700kg
乗員 11名
航続距離  8,000km
実用上昇限度 13,520m
武装 91式空対艦誘導弾
AGM-84 ハープーン空対艦ミサイル
AGM-65 マーベリック空対地ミサイル
短魚雷、対潜爆弾など9,000kg以上 
P-1
P-1は、防衛省技術研究本部と川崎重工業が開発し、川崎重工業が製造、海上自衛隊が保有・運用する固定翼哨戒機である。ターボファンエンジン4発の中型機で、海上自衛隊がP-3Cの後継機として運用している。
2007年(平成19年)9月28日に初飛行した試作機の型式名称はXP-1であったが、2013年(平成25年)3月12日の開発完了の正式発表をもってP-1となっています。最初の2機は、2013年3月29日に厚木基地に配備されています。
飛行性能はP-3Cから大きく向上しており、巡航速度と上昇限度が約1.3倍、航続距離が約1.2倍となっています。
機首の下部に爆弾倉を持ち、対潜爆弾・魚雷を格納しています。
主翼の下のハードポイントには最大8発までの対艦誘導弾(91式空対艦誘導弾、AGM-84 ハープーン)や空対地ミサイル(AGM-65 マーベリック)を装備できます。
ソノブイ発射口は主脚の後部に位置しますが、数はP-3Cより10減の38個です。
機体後部にはMADブームを備えていて、MADはカナダのCAE製AN/ASQ-508(V)を三菱電機がHSQ-102としてライセンス生産したものが搭載されています。機首下部にはHAQ-2光学/赤外線探査装置(FLIR)ターレットを搭載しています。
胴体下面には敵味方識別装置(IFF)アンテナをはじめ、通信・航法・ソノブイ電波受信用のアンテナが設置されています。
機首レドーム内と前脚格納部付近のフェアリング内には、国産のHPS-106レーダーが合計3面設置されています。
HPS-106はXバンド帯を使用するアクティブフェーズドアレイレーダーでGaNを使用した送受信素子を16モジュール装備したパックを長方形のフレームに100列収めています。レーダーの動作モードとしては、航法気象モード、対水上モード、合成開口モード、逆合成開口モードなどを有しており、P-3Cよりも遠距離・高高度から微小な目標を探知することが可能となります。
戦闘指揮システムには、SH-60KのHYQ-2と同様の人工知能的コンポーネントを備えた知識ベース技術を適応したHYQ-3情報制御処理器を搭載しています。HYQ-3は戦況や情報を入力すると、海面に投下した複数のソノブイの音響や高性能レーダーなどからの膨大なデータ情報を一元処理し、最適な作戦を指示します。そのため、判断が半自動化されリアクションタイム短縮とワークロード低減に役立っています。また、偵察衛星との交信や民間船の運航情報など海上保安庁や各機関から取得し処理することで、即座に民間船と不審船を判別することも可能です。
●回転翼機
哨戒ヘリ SH−60J シーホーク
スペックデータ
速力 (最大)143kt(149kt) 
発動機  T700-GE-401(T700-IHI-401C)
1,690馬力(1,800馬力)×2基
機体 16.4x19.8x5.2(m)
(幅×長×高)
離陸重量 9,798kg(9,926kg)
乗員 3名
武装  Mk.46短魚雷×2
74式機関銃×1
HQS-103 ディッピングソナー
ソノブイ
自機防御装置(チャフ/フレア)
SH−60j シーホーク
海上自衛隊のHSS−2Bの後継機種として選定され,米陸軍に採用されたUH−60を基本として,米海軍の艦船搭載用に開発されたSH−60Bと共通の機体に,日本で開発した戦術情報処理表示装置,自動操縦装置など独自の装備品を搭載した対潜水艦用の双発艦載ヘリコプタです。
武装は対潜兵器としてMk46短魚雷しか搭載できないのが弱点です。
哨戒ヘリ SH−60K シーホーク
スペックデータ
速力 (最大)139kt
発動機  T700-IHI-401C
1,800馬力×2基
機体 16.4x19.8x5.4(m)
(幅×長×高)
離陸重量 10,872kg
乗員 4名
 武装  Mk46短魚雷、97式短魚雷、12式短魚雷
対潜爆弾
AGM-114M ヘルファイアII空対艦ミサイル
74式機関銃

HQS-104 ディッピングソナー
ソノブイ
自機防御装置(チャフ/フレア)
SH−60K シーホーク
「SH-60K」は、日本の海上自衛隊が「SH-60J」を基にして、三菱重工業と防衛庁で独自に改造開発を行い、哨戒能力の向上を目指した哨戒ヘリコプターです。
初号機の納入は2002年6月24日に愛知県の三菱重工・小牧南工場で行なわれた。
従来の「SH-60J」はMk46短魚雷しか携行できなかったが、「SH-60K」では国産の97式短魚雷、対潜爆弾、AGM-114M ヘルファイアII空対艦ミサイル、さらに警戒監視用に74式機関銃を携行できるようになり、大幅にパワーアップされています。
SH-60Jが重量制限によって携行できなかった97式短魚雷は、高速・深深度潜航を行う現代の潜水艦を攻撃することができる。また、魚雷が機能を発揮できない浅い海域での攻撃には対潜爆弾を使用することができるなど、海上警備行動での威嚇や警告として有効な手段が増加しています。AGM-114M ヘルファイアIIは敵の警備艇やミサイル艇といった小型艦艇等への対水上戦において使用します。機銃はこれらとの接近戦で使用します。
捜索装置としては、従来のレーダー、ソノブイ、磁気探査装置(MAD)、電子戦支援装置(ESM)に加え、赤外線探知装置(FLIR)、逆合成開口レーダー(ISAR)が追加されています。ISARは、目標に反射したレーダー波のドップラーシフトを解析し、目標の映像化を可能としたレーダーである。これらを組み合わせることにより、捜索・識別能力、監視能力が格段に向上しています。
外観の特徴はメインローターの形状であり、翼端に後退角と上半角、下半角が合わせて設けられる独特の形状で、重量の増加に伴い、ローターの効率を高めている。