第59期順位戦

今年度も第59期順位戦が全て終了しました。
3月6日にはA級順位戦の結果を掲載しましたが、他のクラスの対局も全て終了したわけです。

順位戦は、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5クラスに別れ、それぞれでリーグ戦を行います。
この中でもA級とB級1組は総当たり戦、それ以下のクラスは、抽選で10局ずつの対局があります。
そして上位2名(C級2組では3名)は昇級し、成績が全体数の下位20%に入ったものは降級あるいは降級点がつきます。 ただし降級点がついた場合でも、勝ち越すか、2年連続で5勝すれば、降級点が1つ消えます。もちろん昇級すれば降級点は消えます。ただしC級2組の場合は、1個目の降級点は昇級しない限り消えません。
さらにC級2組では、降級点が3個取るとフリークラスへ降級して順位戦へ出場する権利を失います。
ただし一定の成績を上げれば、再びC級2組に復帰できます。
また昇級すると同時に昇段します。
C級1組は五段、B級2組は六段、B級1組は七段、A級は八段へ昇段しますが、既に該当する段位に昇段していた場合は変わりません。名人になると九段に昇段します。
もちろん降級したからといって段位までは落ちません。
A級で優勝したものは名人戦で名人に挑戦する権利が与えられます。つまり名人になるには、4回昇級してさらにA級で優勝しないと名人に挑戦すらできないわけです。
さらに名人戦7番勝負で4勝すれば名人になれるというわけてす。
奨励会三段リーグからは年2回2人ずつC級2組へ上がります。
実は、棋士の月給はこの順位戦のクラスによってほぼ決まるので、棋士にとっての本場所がこの順位戦というわけです。

第59期順位戦の結果は次の通りです。
A級 優 勝 降 級  A級は、降級2名
 B級1組は昇級2名、降級2名
 B級2組は、昇級2名、降級点4名、降級点2個で降級
 C級1組は、昇級2名、降級点5名、降級点2個で降級
 C級2組は、昇級3名、降級点8名、降級点3個で降級 
谷川浩司九段 田中寅彦九段 島 朗八段
B級1組 昇 級 降 級
藤井 猛竜王 三浦弘行七段 小林健二八段 森けい二九段
B級2組 昇 級 降 級 降級点  
久保利明六段 阿部 隆七段 有森浩三七 東 和男七段 有吉道夫九段 田丸 昇八段
C級1組 昇 級 降 級 降級点
佐藤秀司六段 行方尚史六段 桜井 昇七段 室岡克彦六段 真部一男八段 所司和晴六段 室岡克彦六段
C級2組 昇 級 降 級  
野月浩貴五 飯塚祐紀五段 小林裕士四段 神吉 宏充六段 飯野 健二七段 松浦 隆一六段
降級点  
小阪  昇七段 中尾 敏之四段 伊藤  果七段 関根  茂九段 森  信雄六段
この結果、谷川浩司九段が丸山忠久名人に挑戦することになりました。
また、来期より神吉 宏充六段、飯野 健二七段、松浦 隆一六段の3名がフリークラスに編入され、順位戦への出場権を失いました。毎年のことながら、フリークラスへ落ちる棋士が数人出てしまうのは、致し方ないことながら、勝負の世界の厳しさを思い知らされます。
今回、目についたのはB級1組からA級に昇級した藤井竜王です。
竜王というタイトルを保持しながらなかなかA級に上がれなかった藤井竜王でしたが、B級1組をノンストップで上がってきたわけで来期が楽しみです。
また同時にやはりノンストップでA級に上がってきた三浦七段も