JR東日本・青い森鉄道・青森駅
青森(あおもり)
奥羽本線     新青森 青森    
津軽線       油川
青い森鉄道線   筒井
所在地 青森県青森市柳川1丁目
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
青い森鉄道
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 3面6線
乗車人員  5,682人/日(JR東日本・2024年) 
2,326人/日(青い森鉄道・2019年)
開業年月日 1891年(明治24年)9月1日
乗入路線3路線
所属路線 奥羽本線(JR東日本) 
キロ程 484.5km(福島起点) 
所属路線 津軽線(JR東日本)
キロ程 0.0 km(青森起点)
所属路線 青い森鉄道線(青い森鉄道)
キロ程 121.9 km(目時起点)
東京から739.2 km
駅種別 共同使用駅(JR東日本の管轄駅)
直営駅(管理駅・一部業務委託)
みどりの窓口
青森駅
青森駅
青森駅
青函航路   青森 →   函館
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 青函航路(青函連絡船)
キロ程 0.0km(青森起点)
開業年月日  1908年(明治41年)3月7日 
廃止年月日 1988年(昭和63年)3月13日
備考 1988年(昭和63年)6月3日から同年9月19日まで暫定(復活)運航 
青森駅(あおもりえき)は、青森県青森市柳川(やなかわ)1丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・青い森鉄道の駅である。
青森県の県庁所在地である青森市の中心駅(ターミナル駅)である。
かつては東京から伸びる鉄道幹線である東北本線および奥羽本線の終着駅であり青函連絡船との乗換駅だった。
1988年の青函トンネル開通に伴う青函連絡船廃止と旅客輸送の海峡線経由化、2010年の東北新幹線の新青森駅延伸開業に伴う東北本線の第三セクター化、さらには2016年の北海道新幹線開業に伴う海峡線経由の旅客輸送の新幹線への移行を経て、「北海道との連絡口としての役割から、三内丸山遺跡や世界遺産白神山地への玄関口とその機能は変貌を遂げる駅」として、東北の駅百選に選定されるに至っている。なお、東北本線八戸駅 - 青森駅間の第三セクター化に伴い、在来線における所属線は東北本線から奥羽本線に変更されている。
2023年6月現在、乗り入れている路線はJR東日本の奥羽本線と津軽線、青い森鉄道の青い森鉄道線の合計3路線であり、いずれの路線も当駅が起終点となっている(津軽線のみ起点、奥羽本線、青い森鉄道は終点)。
特急「つがる(スーパーつがる)」(大館駅・秋田駅方面)、臨時快速列車(観光列車)「リゾートしらかみ」(五能線方面)が発着する。
当駅は古くは青函連絡船の本州側玄関口であり、北海道と本州をつなぐ、全国的な交通網の要であった。その情景は歌謡曲「津軽海峡・冬景色」の歌詞にもなった。
1988年(昭和63年)に青函トンネルが開通すると、青函連絡船はその役目を新たに開業した津軽海峡線に譲って廃止され、津軽海峡線の快速「海峡」の始発・終着駅の役割を果たしていた。
その後、2002年(平成14年)の東北新幹線盛岡 - 八戸間開業時に快速「海峡」が廃止され、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」の停車駅(一部始発および終着あり)となったことから、昼間の当駅始発・終着列車は減り、さらに2010年(平成22年)12月4日の東北新幹線新青森開業後は、東北本線八戸 - 当駅間は青い森鉄道に経営移管され、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」の起終点は八戸駅から新青森駅に変更され、多客期の臨時特急「白鳥」の午前の1往復のみ当駅始発となった。
そして、2016年(平成28年)の北海道新幹線開業に伴い、青函トンネル経由の旅客列車はすべて新幹線へ移行することになったため、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」をはじめとした津軽海峡線の旅客列車はすべて運行を終了した。これにより、当駅から直接北海道方面へ向かう旅客列車は無くなり、北海道への玄関口としての役割は新青森駅に譲り渡された。
かつては1番線側に青函連絡船の岸壁があり、連絡船の車両甲板につながる可動橋があった。また、当駅から安方を経て埠頭方面への臨港線(青森県公用臨港線)もあり、貨車の入れ替え作業がホームから頻繁に見られた。連絡船への貨車積み込みのため、構内の線路は岸壁に向かって北側に伸びた構造になっている。

HB-E300系気動車、JR東日本701系 改札口
HB-E300系気動車、JR東日本701系 改札口
E751系「つがる」 ホーム
E751系「つがる」 ホーム
駅名標 青い森鉄道ホーム
駅名標 青い森鉄道ホーム

駅構造

構内番線対照表
番線(線路) 線路(のりば) 名称 所有(現在)
1番線 - 下り3番線 JR東日本
2番線 - 下り2番線
3番線 - 下り1番線
4番線 6番線 津軽本線
5番線 5番線 奥羽下り本線
6番線 4番線 奥羽上り本線
7番線 3番線 中線
8番線 2番線 東北下り本線 青森県
9番線 1番線 東北上り本線
- - 材料線
青森営業統括センター管理下の直営駅(営業副長・輸送副長配置)。
津軽線の各駅、大湊線の各駅(野辺地駅を除く)、奥羽本線新青森駅を管理下に置く。改札口と券売機管理業務はJR東日本東北総合サービス(新青森ブロック)が受託し、業務長(LiViT副長)を配置している。
青い森鉄道側は、駅長・助役ならびにアテンダント乗務員の配置駅。筒井駅〜西平内駅を管理下に置く。青い森鉄道線の乗車券類発売ならびに、青い森鉄道線の忘れ物、落とし物の管理を行う。改札業務はJRに委託しており、輸送業務(1、2番線の運行管理)は青い森鉄道指令室が管理している。
島式ホーム3面6線を有する地上駅(橋上駅)である。1・2番線に青い森鉄道線、2 - 6番線に奥羽本線、3・6番線に津軽線の列車が発着している。各線は構内北側へ向けて1線に合流しており、客車列車の入換・機回し線として使用されている。東北本線八戸 - 青森間経営分離に際して構内改良工事が行われており、1・2番線の有効長短縮や電車化によって不要となった機回し線の撤去などが実施された。経営分離以前は、一部列車を除き1・2番線に東北本線、3 - 5番線に奥羽本線、6番線に津軽線の列車が発着していた。線路番線(名称)としては駅構内西から番号が振られており、右表のようになっている。
現在の駅舎は2021年(令和3年)3月27日から使用されているもので、4代目駅舎の西隣(駅正面から見て奥側)の機回し線の跡地に建てられている。2階にはみどりの窓口、自動券売機、指定席券売機、待合室、自動改札機(Suica、えきねっとQチケ対応)が設けられている。NewDaysは駅たびコンシェルジュや待合室と併設している。24時間行き来ができる東口と西口を繋ぐ(幅約6メートル、全長約170メートル)自由通路は、南側には採光を意識した大きな窓が、北側はリンゴの木箱をイメージしたデザインが特徴の壁があり、写真などを展示するスペースもある。また、改札階とホーム階との間や出入口にはそれぞれエレベーターとエスカレーターを完備しており、バリアフリー化が図られている。東口側からは、4代目駅舎の解体工事完了までの間はミニ広場「エビナ」(4代目駅舎と駅ビル「ラビナ」の間にあるミニ広場の通称名)を通って現駅舎に入るようになっていたが、2024年(令和6年)には4代目駅舎の跡地に、ホテルや商業施設「&ラビナ」からなる複合施設「JR青森駅東口ビル」が完成し、この東口ビルの3階が駅舎の改札外コンコースと直結していて新たな東口となっている。
当駅構内南端部には青い森鉄道線の「740」キロポストと奥羽本線の「485」キロポストがある。
橋上駅舎化前は、各ホーム間を連絡する跨線橋がホームの南北に2か所あった。このうち、北側のものはかつて運航されていた青函連絡船との乗り換え通路を兼ねていたため、連絡船の廃止後は長らく使用されなくなっていたが、現在は改修されて旧第1岸壁に設置された八甲田丸・青い海公園と駅西側の青森マリーナを結ぶ自由通路「青い海公園連絡橋」として使用されている。南側のものは駅舎と各ホームとの連絡橋として1959年(昭和34年)の4代目駅舎竣工後から2021年(令和3年)3月26日の4代目駅舎および西口の窓口営業終了までの間使用されていたが、旅客用のエレベーターが存在しておらず、車椅子で利用する際は駅係員に申し出るか、階段・エスカレーター横に設置していたインターホンで呼び出し、階段昇降機(エスカル)を使う必要があった。

のりば

番線 路線 方向 行先
1・2 青い森鉄道線 上り 八戸・目時方面
3-6 奥羽本線 上り 新青森・弘前・大館・秋田方面
津軽線 下り 蟹田方面

歴史

  • 1891年(明治24年)9月1日:日本鉄道の駅として開業。この当時は、玄関が安方通りに面していた。なお、1番列車は、前日17時45分に上野駅を出発し、当駅に当日17時10分に到着した列車だった。また、当時の運行ダイヤは、下り列車が上野14時45分発青森17時10分着、上り列車が青森12時50分発上野10時10分着の1往復の運行だった。
  • 1906年(明治39年)
    • 9月1日:2代目駅舎が落成(開業は9月3日)。この駅舎改築により、玄関が新町通り側に移動する(『新青森市史』資料編6 口絵解説による)。
    • 11月1日:国有化。
  • 1908年(明治41年)3月7日:帝国鉄道庁直営の青函連絡航路が開設され、青函連絡船運航開始。
  • 1926年(大正15年)11月:貨物ホーム、操車場が完成。旅客と貨物ホームが分離。
  • 1935年(昭和10年)3月:3代目駅舎が完成(開業は4月5日)。
  • 1944年(昭和19年)4月1日:倉庫営業開始。
  • 1947年(昭和22年)8月11日:昭和天皇の戦後巡幸。青森駅長が「樺太引揚輸送」、函館船舶管理部長が「青函連絡船について」などの説明を行う。
  • 1948年(昭和23年):西口設置。
  • 1959年(昭和34年)12月25日:4代目東口駅舎が竣工。
  • 1965年(昭和40年)10月1日:みどりの窓口を設置。
  • 1968年(昭和43年)5月16日:「十勝沖地震」が発生。この地震により青函連絡船の桟橋の床が抜け落ちるなどの被害が出た。
  • 1970年(昭和45年)
    • 7月1日:駅レンタカーみちのく青森営業所を開設(現・JR東日本レンタリース青森営業所)。
    • 11月10日:青森駅旅行センターが開業。
  • 1984年(昭和59年)12月:西口駅舎が新築。
  • 1986年(昭和61年)5月23日:青森駅ビル「ラビナ」が開業。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となる。ただし、青函連絡船青森桟橋はJR北海道函館支店管轄となる。
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月13日:青函連絡船が廃止。JR北海道海峡線(津軽海峡線)開業に伴い、津軽線の当駅 - 新中小国信号場間が交流電化。
    • 6月3日:青函連絡船の暫定(復活)運航を開始。
    • 9月19日:青函連絡船の暫定運航を終了。
  • 1990年(平成2年)3月10日:びゅうプラザ青森が開業。
  • 1990年代前半:西口にマルス端末を設置し、みどりの窓口化。
  • 1998年(平成10年)ごろ:自動券売機をボタン式からタッチパネル式(EV2型)に更新。
  • 2002年(平成14年)
    • 4月1日:駅西口の業務が「ジャスター」(現・JR東日本東北総合サービス)に委託される(それ以前は東口出札担当と改札担当が交代で業務をしていた)。
    • 東北の駅百選に選定される。
  • 2003年(平成15年)6月21日:函館駅、八戸駅との3駅間で姉妹駅(カップルステーション)を締結。
  • 2005年(平成17年)3月1日:東口に指定席券売機を導入。
  • 2006年(平成18年)3月9日:東口在来線改札口に自動改札機を導入。
  • 2007年(平成19年)11月:東口・西口ともに、タッチパネル式の自動券売機を新機種(EV4型)に更新。
  • 2009年(平成21年)
    • 10月:東口改札の有人通路をカウンター化。インフォメーションセンターを東口改札併設とする。
    • 12月:東口のみどりの窓口、びゅうプラザを改装。
  • 2010年(平成22年)
    • 11月14日:びゅうプラザにおける海外旅行の取り扱いを終了。
    • 12月1日:東口の青い森鉄道定期券発売窓口が稼動を開始。
    • 12月4日:東北本線当駅 - 八戸駅間が青い森鉄道に移管され、JR東日本と青い森鉄道の共同使用駅となる。所属線を東北本線から奥羽本線に変更。青森地区駅長が青森駅長兼務から新青森駅長兼務に変更。びゅうプラザが日祝定休となる。
  • 2011年(平成23年)8月15日:青森駅構内連動分離工事を実施。これまで構内をすべて青森駅輸送本部から制御していたが、1・2番線を青い森鉄道輸送指令からの制御に分離。
  • 2014年(平成26年)4月1日:インフォメーションセンターが廃止。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月21日:北海道新幹線開業に伴い、津軽海峡線旅客列車の運行を終了(新幹線開業日である3月26日付で廃止)。
    • 4月1日:新青森駅が当駅管理下となり、青森地区駅長が新青森駅長兼務から青森駅長兼務に変更。また、びゅうプラザ新青森駅廃止に伴い、びゅうプラザ青森駅の日祝営業が再開(現在は再び日祝定休)。
    • 7月1日:青森県・青森市・JR東日本が「青森駅周辺整備事業」の基本協定を締結。
  • 2018年(平成30年)
    • 6月6日:青森県・青森市・青森商工会議所・JR東日本が「青森駅周辺のまちづくりに関する連携協定」を締結。
    • 6月7日:みどりの窓口指定席券売機横に、指定席券売機利用案内ロボットが導入される。
    • 7月18日:青森県・青森市・JR東日本が「青森駅自由通路整備等に関する工事の施行協定」を締結。
    • 11月7日:東西自由通路設置工事および橋上駅舎化工事の安全祈願祭を行う。
  • 2019年(令和元年)6月1日:蟹田駅業務委託化、三厩駅無人化に伴い、津軽線中沢駅 - 三厩駅間が当駅管理下となる。また、びゅうプラザの運営がびゅうトラベルサービスに移管される。
  • 2021年(令和3年)
    • 2月20日 - 3月5日:4代目駅舎が建て替え工事による閉鎖(2021年3月26日)を前に青森県立青森北高等学校美術部員や青森市の造形教室「CoBaCo(コバコ)」の生徒らにより駅舎の壁や柱に彩色を施す「エキナカアート」を実施。
    • 3月26日:4代目駅舎および西口の窓口営業が終了。
    • 3月27日:新駅舎(5代目)および東西自由通路の供用を開始。改札業務と券売機管理業務を業務委託化(みどりの窓口は引き続き直営)。
    • 10月1日:八戸地区センター(旧・八戸地区指導センター)廃止に伴い、八戸地区が青森地区に編入される。
    • 12月1日:大湊駅業務委託化に伴い、大湊線各駅が当駅管理下となる。
  • 2022年(令和4年)
    • 1月31日:びゅうプラザの営業を終了。
    • 3月1日:駅たびコンシェルジュが開業。
    • 3月12日:青森駅、新青森駅、盛岡支社青森支店、青森寮と青森地区センターの一部業務を統合した青森営業統括センターを設置。青森駅長は青森営業統括センター所長(青森地区駅長兼務)となる。
  • 2023年(令和5年)
    • 3月22日:午前0時より「西口駅前広場」の供用を開始(3月21日午前10時より落成式を実施)。それに伴い青森市営バスの西口駅前広場乗り入れ便の拡充、西口駅前広場発着便を新設、北部方面と西部方面の直通路線を新設。
    • 4月1日:ねぶたん号が「西口駅前広場」乗入れに変更。
    • 5月27日:奥羽本線においてICカード「Suica」の利用が可能となる。
  • 2024年(令和6年)
    • 3月30日:JR青森駅東口ビル内の自由通路が供用開始。
    • 4月26日:JR青森駅東口ビル併設の商業施設「&ラビナ」と行政施設「青森市民美術展示館」「あおもり縄文ステーション じょもじょも」が開業。
    • 7月11日:JR青森駅東口ビル併設のホテル「ReLabo」が開業し、同ビルが全面オープン。
    • 10月1日:JR東日本(奥羽本線および津軽線)でえきねっとQチケのサービスを開始。