C 拡張スロット
パソコンの背面には、拡張カードを装着するための拡張スロットが装備されている。
スロットはマザーボード上にあり、マザーボードのサイズにより3〜6個が装着されている。
拡張カードの代表的なものは、すでに述べたSCSIインタフェースボードであるが、それ以外にも各種の拡張カードが存在する。
最近のパソコンでは、たいてい使うようなLANアダプタやIEEE1394、USBなどのインタフェースはマザーボード上に配置されていて、拡張カードで搭載する必要がない場合が多いので、以前ほどは拡張スロットの必要性がなくなっていると言える。
拡張スロットは、PCI、ISA、Cバスの3種類があるが、これまで説明してきた拡張スロットは、基本的にPCIスロットであることが前提である。
最新マザーボードではPCI-express搭載のものもあるが、肝心の拡張カードが現時点ではまだほとんど存在しない。
現時点では、拡張カードとして存在しているのはPCIカードだけといっても過言ではない。
ビデオカード用に用意されている専用スロットとしては、従来からあるAGPと最新のマザーに搭載されているPCI−Express×16がある。
最新マザーボード上の拡張スロット
見ての通り、最近のマザーボードではISAスロットのような低速のスロットはなくなり、PCIスロットさらにはPCIーExpressといった新規格のスロットが登場している。
最近のマザーボードではLANアダプタ、IEEE1394ポートなど従来では搭載されていなかった機能が標準搭載されるケースが増えていて、最新のSerialATAインタフェースも搭載していたりするので、それらの機能を拡張するために拡張カードを搭載しなくてはならないという場面が少なくなっていることも事実である。
もちろん上記のような機能を標準で持たないマザーボードもあるので、LANアダプタ、IEEE1394カード、SerialATAカードなども当然ながら販売されている。
これらのカードも現時点では全てPCIカードである。
次に各拡張スロットの特徴を一覧表で記す。
規格 PCI-Express×1 PCI ISA Cバス
最大転送速度 500MB/s    133MB/s    8MB/s    8MB/s
バス幅 シリアル 32ビット 16ビット 16ビット
採用パソコン i915/925などの最新マザー ほぼ全てのパソコン DOS/V NEC PC−9821
備 考  最新のI/Oインタフェース規格。ただし対応カードがビデオ用を除いてまだ登場していない。
しかしいずれはこれが主流となることが予想される。
現在の主流。
ほとんどのボードがこのタイプである。
本来DOS/Vマシンの標準拡張スロットだが、現在のマシンではほとんど搭載されていない。 NEC PC-9821に採用されているが、現在ではボード自体が少なく、ISAと同様の立場である。
 
 主な拡張カードの種類について、次に一覧表を記す。
拡張カードの種類 拡張カードの機能
SCSIカード SCSI機器を本体と接続するためのインタフェースカード
UltraATAカード IDE機器を本体と接続するためのインタフェースカード
SerialATAカード SerialATA対応ストレージデバイスを接続するためのインタフェースカード
ビデオカード ディスプレイを本体と接続するためのインタフェースカード
サウンドカード 本体に音声信号を入力したり、音声信号を出力するカード
ビデオキャプチャー 本体にビデオ信号を入力するカード
LANアダプタ 本体をLANに接続するカード
モデムカード 本体をアナログ電話回線に接続するカード
RS−232C増設カード シリアルポートを増設するためのカード
USB増設カード USBポートがない本体にUSBポートを装備するカード
LANやIEEE1394インタフェースを同時に持つ複合カードもある
IEEE1394増設カード IEEE1394インタフェースを搭載したカード
これ以外にも周辺機器の専用ボードが存在する。
ここに挙げた拡張カードのほとんどは、PCIボードの形で提供される。
ISAボードで提供されているボードとしてはSCSI、サウンドボード、ネットワークボードなどがある。
Cバスで提供されるボードは、現在ではSCSIボード、ネットワークボード程度である。
現在販売されているメーカー製マシンでは、PCIスロットは1つしかない場合が多く、PCカードスロットを搭載しているケースが多いようである。
これは、本来はノートパソコン用の拡張スロットであるが、最近のダウンサイジングの傾向により、マシンがコンパクト化されるにつれて、デスクトップ型パソコンにも搭載されるようになった。