京福電気鉄道 永平寺線 (2002年10月21日廃止)
京福電気鉄道 永平寺線の概要
かつて越前本線と分岐していた永平寺口駅
かつて越前本線と分岐していた永平寺口駅
京福電気鉄道永平寺線は、かつて金津駅(芦原温泉駅)-永平寺駅間24.6kmを結んでいた京福電気鉄道福井支社の鉄道路線です。
永平寺線は、1924年(大正13年)3月に設立された永平寺鉄道により、1925年(大正14年)9月16日に永平寺口駅- 永平寺門前駅(後の永平寺駅)間5.75km が開業したのが最初です。
その後、1929年(昭和4年)8月14日に金津駅(現:芦原温泉駅)-新丸岡駅(後の本丸岡駅)間 10.00kmが開業し、同年12月10日には新丸岡駅 - 永平寺口駅間 8.53km が開業して全線開通しました。1938年(昭和13年)4月18日には、永平寺門前駅を移転し永平寺駅に改称しています。この際に路線が0.4km延長されています。
1944年(昭和19年)12月1日には永平寺鉄道が丸岡鉄道とともに京福電気鉄道に吸収合併されて、京福電気鉄道永平寺線となっています。
この路線は、温泉街のある金津駅(芦原温泉駅)と曹洞宗大本山永平寺を結んでいて、一見観光路線のように見えますが、実は福井市を通らず福井県の中心部から離れていて、ローカル色が強い路線です。
そのためモータリゼーションの進展により大幅に乗客が減少し、1969年(昭和44年)9月17日にあえなく金津駅-東古市駅間が廃止されてしまいました。
かろうじて東古市駅-永平寺駅間が残されたのは永平寺への参拝客のためでしたが、その後も乗客数は伸び悩み、東古市駅から延びる越前本線と永平寺線がともに廃止の危機に脅かされている状況となっていました。
そして2000年(平成12年)12月17日には、越前本線で同線と永平寺線の電車が正面衝突を起こすという鉄道事故が発生し、運転士が死亡するという事態になりました。
しかも2001年(平成13年)6月24日 越前本線での電車同士の正面衝突事故のため、翌日から全線運行休止に追い込まれています。京福電気鉄道は、2度の事故により経営継続を断念し、福井県内での路線をすべて廃止して撤退することを表明するに至りました。これにより福井県内の私鉄線が消滅してしまう危機を迎えたわけです。
これに対し福井県は越前本線・三国芦原線を第三セクター方式で存続させることを決定し、2002年(平成14年)9月17日に受け皿となるべく、えちぜん鉄道を設立して、2003年(平成15年)2月1日に京福電気鉄道から越前本線・三国芦原線の鉄道施設の譲渡を受け、越前本線は勝山永平寺線と改称しています。
ところが永平寺線は残念ながら収支が見込めないことから2002年(平成14年)10月21日で廃止されてしまい、とうとう再開されずに全線廃止の憂き目を見たわけです。

路線データ
京福電気鉄道 永平寺線
路線距離  金津-永平寺間24.6km
軌間  1,067mm
駅数  21駅(起終点駅含む)
複線区間  全線単線
電化区間  全線直流600V
閉塞方式  不明
開業年月日  1925年(大正14年)9月16日
廃止年月日  2002年(平成14年)10月21日

京福電気鉄道 永平寺線 駅一覧
駅名 駅間
キロ
営業
キロ
接続路線 所在地
金津駅(現・芦原温泉駅) - 0.0 北陸本線 三国線(廃止) あわら市春宮
菅野駅 1.0 1.0 あわら市菅野
伊井駅 1.7 2.7 あわら市矢地
御簾ノ尾駅 0.8 3.5 あわら市御簾尾
坪江駅 0.8 4.3 あわら市中川
瓜生駅 1.3 5.6 あわら市北疋田
乗兼駅 1.2 6.8 坂井市丸岡町乗兼
長畝駅 1.2 8.0 坂井市丸岡町長畝
丸岡口駅 1.2 9.2 坂井市丸岡町本町
本丸岡駅 0.7 9.9 京福電気鉄道丸岡線 坂井市丸岡町西瓜屋
西瓜屋駅 0.7 10.6 坂井市丸岡町西瓜屋
末政駅 1.8 12.4 坂井市丸岡町末政
油駅 0.8 13.2 坂井市丸岡町油為頭
友末駅 1.1 14.3 坂井市丸岡町友末
楽間駅 1.1 15.4 坂井市丸岡町楽間
鳴鹿駅 1.1 16.5 吉田郡永平寺町鳴鹿山鹿
東古市駅(現・永平寺口駅) 1.9 18.4 えちぜん鉄道勝山永平寺線 吉田郡永平寺町東古市
諏訪間駅 1.0 19.4 吉田郡永平寺町諏訪間
京善駅 1.8 21.2 吉田郡永平寺町京善
市野々駅 1.2 22.4 吉田郡永平寺町荒谷
永平寺駅 2.2 24.6 吉田郡永平寺町志比
 
京福電気鉄道 永平寺線マップ
電子国土ポータルへのリンクです