PC−9821のメモリ環境に対する問題点      戻る
PC−9821のメモリ環境は、現在たいへん厳しい状況にあります。 
最新のIBM PC/ATマシンで使用されるSDRAM,DDR SDRAM,DRDRAMなどはたいへん安価で入手できるようになり、性能面でもたいへん向上しています。
しかしPC−9821で使用できるメモリは、EDO DRAMかF.P.DRAMでSIMM環境で動作するものがほとんどです。
中にはSDRAM−DIMMが使用できるマシンもありますが、それらは現在販売されているSDRAMは搭載できません。
しかもPC−9821用DIMMメモリはもう製造終了になっていて、入手も困難です。
となるとSIMMということになりますが、これとてもまともでは入手がなかなか困難です。
私は、最近ではSIMMメモリはすべて中古でそろえるようにしていますが、トラブルを起こしたことはありません。
しかし、新品のDIMMよりも高価なのがつらいところです。
しかし、PC−9821をWindows98で動作させるのであれば、メモリは最低でも64MB以上がほしいので、16MB〜32MBしか搭載していないPC−9821マシンでは、メモリ増設は最初に行うべきパワーアップといえましょう。
PC−9821で使用するメモリは、次のような種類があります。

ソケット SIMM(72ピン) DIMM(168ピン)
メモリタイプ F.P.DRAM EDO DRAM SDRAM
チェックタイプ パリティなし パリティあり non−ECC ECC non−ECC
増設単位 2枚 1枚

現在、入手が比較的容易なのはSIMMだけで、DIMMは入手困難です。
もちろんSIMMといっても、どれでも搭載可能なわけではありません。
しかしタイプさえ合っていれば、IBM PC/AT用のSIMMであっても、PC−9821で使用できるようなのでさほど心配はありません。
PC−9821マシンに適応するメモリの選択方法
ここでは、PC−9821マシンにおける適応メモリの選択に関して、その方法を解析します。
特に問題になるのは、SIMMメモリです。種類だけでも4種類もあり、容量の違いも問題になるので、初心者には手に余る問題かもしれません。
もちろん、NEC純正メモリであれば問題ないでしょうが、たいへん高価です。
後は、アイ・オーデータ機器やメルコなどのサードパーティ製のメモリで対応機種を確認した上でメモリを購入するのがオーソドックスですが、PC−9821に関していえば、現状ではこの方法では入手が困難です。
何しろ店頭に現物がないし、取り寄せもしたくないでしょう。
となると、ノーブランドの中古品のメモリから適応するメモリを探すのがコスト的にも有利で、現実的です。
ここでは、そのような場合にどう考えればよいかを論じることになります。
まず、そのマシンがEDO DRAMしか使えないのか、それともF.P.DRAMしか使えないのか、あるいは両方とも使えるのか、さらにはECCおよびパリティが必要なのかという問題があります。
そこで主なPC−9821マシンで使用できるメモリの一覧表を作成しました。
これによりいずれのメモリが使用できるかを確認してください。

対応メモリ 使用可能メモリ
F.P.DRAM F.P.DRAM F.P.DRAM with Parity
F.P.DRAM With Parity F.P.DRAM with Parity
EDO DRAM EDO DRAM EDO DRAM−ECC
EDO DRAM−ECC EDO DRAM−ECC

この表を見ると気づくでしょうが、F.P.DRAMに対応していれば、パリティ付きF.P.DRAMであっても動作するし、EDO DRAMに対応していれば、ECC付きEDO DRAMであっても動作するという点です。
だから パリティ付きおよびECC付きのメモリを用意すれば、どちらにしても動作するはずです。

さらに、もう一つ注意すべき点があります。
マシンによって、搭載できる最大メモリ容量に制限があるという点です。
PC−9821では、最大メモリ容量が128MBまでの機種が多いのですが、中には256MBまで搭載できるマシンもあります。そのため、大容量のメモリが使えないということが起こり得るわけです。
しかしこの点に関しては、さほど気にすることはないでしょう。
通常は、128MBまで増設すれば実用上問題ないし、現在入手が可能なSIMMは、2枚組で64MBが相場ですので、SIMMが4枚差せるマシンでは128MBまでしか搭載できません。
運良く、2枚組で128MBSIMMが入手できた場合は、逆に対応機種に注意してください。
その場合は、最大メモリ容量が256MB以上の機種でないと、搭載できない可能性が高いと思われます。