沼津(ぬまづ) |
東海道線 |
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三島 |
→ |
沼津 |
→ |
片浜 |
御殿場線 |
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大岡 |
→ |
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所在地 |
静岡県沼津市大手町一丁目1-1 |
所属事業者 |
東海旅客鉄道(JR東海)
日本貨物鉄道(JR貨物) |
駅構造 |
地上駅 |
ホーム |
3面6線 |
乗降人員 |
37,007人/日(2023年) |
開業年月日 |
1889年(明治22年)2月1日 |
乗入路線 2 路線 |
所属路線 |
■東海道本線(静岡地区) |
駅番号 |
CA03 |
キロ程 |
126.2km(東京起点) |
所属路線 |
■御殿場線 |
駅番号 |
CB18 |
キロ程 |
60.2km(国府津起点) |
駅種別 |
直営駅管理駅) JR全線きっぷうりば |
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沼津駅 |
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沼津駅(ぬまづえき)は、静岡県沼津市大手町一丁目にある、東海旅客鉄道(JR東海)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
沼津駅は、静岡県東部地域(伊豆半島)の主要都市である沼津市の代表駅であり、同市の市街地中心部に位置している。
東海道本線(東海道線)及び御殿場線のJR東海旅客駅とJR貨物の貨物駅が同居する駅である。
事務管コードは、▲520103である。
駅の開業は1889年である。開業時から国有鉄道の駅だったが、1987年の国鉄分割民営化によりJR東海・JR貨物の2つの事業者が運営する駅となった。
かつては、旅客駅・貨物駅に加え、機関車の車両基地であった沼津機関区や、貨車操車場が併設され、駅からは沼津港駅までの貨物支線(沼津港線)も分岐、駅前には路面電車である伊豆箱根鉄道軌道線の沼津駅前停留場がある鉄道の中心地であった。
東海道新幹線が計画された際には、線形の関係と沼津付近の地盤が悪いことから隣の三島駅を経由するルートが建設され、沼津に駅は設けられなかった。
沼津市などは、沼津駅付近を高架化して、貨物駅を移設する計画を進めている。
新貨物駅予定地の地権者らによる反対論もある。
乗り入れ路線・停車列車
東海道本線(東海道線)を所属線とし、それに加えて御殿場線の2路線が乗り入れている。
駅番号は、東海道線がCA03、御殿場線がCB18。
東海道本線では沼津駅は路線の中間に位置する中間駅の扱いだが、御殿場線は終点である。
いずれの路線も、JR東海が第一種鉄道事業、JR貨物が第二種鉄道事業となっている。
当駅には東海道本線で運行される寝台列車「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」を含めた当駅を経由する全ての旅客列車が停車する。東海道線の普通列車は静岡県内で運行される列車のほか、東日本旅客鉄道(JR東日本)管轄の東海道本線との直通列車が1日7往復設定されている。そのうち一部の列車を除いて東京駅経由で東北本線(宇都宮線)や高崎線・上越線・両毛線と直通運転を行っており、最遠で栃木県の宇都宮駅、群馬県の前橋駅から当駅までが一本の列車で結ばれている(ただし、当駅発高崎線・上越線・両毛線直通の設定はなく、当駅行きのみ)。そのほか、国府津駅発着が1往復設定されており、上りのみ小田原駅行きと上野駅行きも設定されている。国府津駅発着は5両編成、その他の東日本旅客鉄道(JR東日本)管内直通列車は10両編成で運行されている。当駅は東海道本線において東京方面から普通列車の直通列車が運行される最西端の駅である。かつて、東京駅発着の普通列車は当駅まで1時間あたり1 - 2本乗り入れていたが、2004年10月16日のダイヤ改正でJR東日本とJR東海の境界駅である熱海駅で多くの普通列車の運転系統が分割され、朝夕の通勤時間帯と夜間を除いては同駅での乗換が必要となった。また、かつては当駅より西へも東京駅から直通の普通列車が設定されていたが、2012年3月17日のダイヤ改正で最後まで残っていた東京駅 - 静岡駅間の直通列車1往復が消滅した。
御殿場線には、1991年3月16日のダイヤ改正から2012年3月17日改正まで、同線と小田急電鉄小田原線を経由して当駅と新宿駅を結ぶ特急「あさぎり(現在のふじさん)」が1日4往復当駅まで乗り入れていた。
かつては、沼津駅前を発着する路面電車が存在した。日本で9番目の電気鉄道として開業した駿豆電気鉄道、後の伊豆箱根鉄道軌道線がそれで、駅前から三島広小路駅へ向かっていた。
軌道線の停留場である沼津駅前停留場は、沼津駅南口にある駅前広場の西側にあった。
1950年代の写真によれば、停留場の構造は島式ホーム1面2線であり、ホーム北側に事務所が置かれていた。軌道線は沼津駅前を出ると、大手町交差点までは静岡県道52号沼津停車場線上を通っていた。
この停留場は、1906年(明治39年)11月28日に駿豆電気鉄道によって開設された。
当時は沼津停車場前と名乗っていた。その後、運営事業者は富士水力電気→駿豆鉄道→駿豆鉄道箱根遊船→駿豆鉄道と変遷し、1957年(昭和32年)に伊豆箱根鉄道となった。
1961年(昭和36年)6月28日に軌道線の黄瀬川橋梁が流失し、沼津駅前 - 国立病院前間の営業が休止されたため、沼津駅前の電車発着がなくなった。その後は電車代行バスが運行されていたが、1963年(昭和38年)2月5日に軌道線は廃線、沼津駅前停留場も廃止された。しかし、停留場跡地は駅前再開発を経ても、バス降車場として依然として利用されている。
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駅名標 |
自動改札機 |
駅構造
ホーム・駅構内
旅客駅は、東西に伸びる島式ホーム3面6線を有する地上駅である。のりばは南側から1番線、2番線の順で、6番線まである。
2番線が駅の下り本線、4番線が上り本線であり、残りの各線は副本線(待避線)である。なお名称は、1番線が下り1番線、3番線が中線、5番線が御殿場本線、6番線が上り1番線である。また貨物列車などが使用する着発線が、6番線の北側に2本(上り2番線・上り3番線)、1番線・2番線ホームの西側にあたる場所に2本(下り2番線・下り3番線)ある。後述の貨物設備に繋がる側線は、下り2番線・下り3番線に接続している。
駅構内には複数の側線があるほか、駅東側の御殿場線沿いには沼津運輸区の電留線が広がっている。かつては構内北側にも機関区(沼津機関区)が置かれていた。機関区の跡地は既に再開発されている。
各ホームは、ホーム西側にあり北口・南口に繋がる跨線橋と、東側にあり南口に繋がる地下通路で連絡している。
のりば
番線 |
路線 |
方向 |
行先 |
備考 |
1・2 |
■東海道線 |
下り |
静岡・浜松方面 |
御殿場線から直通する列車も含む |
3・4 |
上り |
熱海・東京方面 |
御殿場線から三島方面直通列車と三島駅からの御殿場線直通列車が3番線に入線時は6番線から発車
■東北本線 宇都宮駅まで直通 |
5・6 |
■御殿場線 |
- |
御殿場・国府津方面 |
三島駅からの直通列車は3番線から発車 |
- JR東日本管内では上野東京ラインとして案内される、東京駅から大宮方面に直通する列車は、当駅では(東海道線上り)「東京経由」と案内される。
- 当項では東海道線を■オレンジで示しているが、駅の案内ではラインカラーを示していない。
- 一部の普通列車は当駅で切り離し・連結作業が行われている。連結作業は東海道本線の下り列車と御殿場線のみで、東海道本線の上り列車では切り離し作業のみ行われる。但し、熱海方面からの沼津止まりの列車を折り返す際、一部の列車に限って連結作業が行われている。当駅4時55分発の熱海行きは静岡地区の東海道線では一番列車でもある。
- 3番線は中線として東海道線の当駅始発・終着列車や三島方面からの御殿場線の発車など、柔軟に使われている。
- 定期旅客列車としては設定されていないが、東海道線下り方向への出発も可能で、回送・臨時列車やダイヤ乱れ時に設定されることがある。
- 6番線は3番線に御殿場線列車の入線がある場合、東海道線上り 三島方面への発車にも使われている。
駅舎・設備
駅舎は構内北側と南側の2か所。2つの駅舎は跨線橋で繋がり、その跨線橋で各ホームにも連絡している。エレベーターは駅舎と跨線橋および、跨線橋と各ホームに設置。また南側駅舎と各ホームへは地下通路も整備されている。
改札口は、南北2つの駅舎の中にある北口・南口と、跨線橋から駅ビル「アントレ」に直結するアントレ改札口の3か所。
各改札口には自動改札機が導入されていおり、アントレ改札口は自動改札のみで駅員は配置されていない。
南口・北口にはJR全線きっぷうりばや自動券売機・エクスプレス券売機が設置されており、1・2番線にはホームライナーの乗車整理券専用券売機が設置されている。
ホームの発車標は、以前は反転フラップ式が使用されていたが現在はLED式のものが使用されている。
各改札口の発車標は以前からLED式が使用されていたが、南口の改札に設置されている発車標は2020年(令和2年)1月より液晶ディスプレイを使用したものに置き換えられた。
この他跨線橋と北口の改札・地下通路には各方面行きの先発列車の発車番線を案内するLED式の案内表示機が設置されており、かつて当駅から発着していた特急「あさぎり」の発車番線案内も入っていた。
有人駅であり、駅長配置駅(直営駅)に分類され、管理駅として沼津市内にある東海道本線の2駅(片浜駅、原駅)を管理している。
貨物駅
JR貨物の駅はJR東海の旅客駅より1kmほど西の沼津市本字下中溝601-4に位置する。
3面のコンテナホームと6本の荷役線を有する。うち1面1線のホームは上屋付き。ホームの長さは150メートルほどしかない。
貨物列車の着発線は旅客ホームの西側にあり、着発線より片浜駅方面に伸びる引上線から、荷役線が着発線方面に戻るように分岐している。
なお、引上線や荷役線は電化されていないため、入換作業にはJR貨物HD300形ハイブリッド機関車が使用されている。
駅の北にある明電舎沼津事業所へ専用線が通じ、希に変圧器を輸送する特大貨物列車が運行される。
かつては、フジクラ沼津事業所や東芝機械(現:芝浦機械)本社工場など駅周辺の工場へも専用線が続いていた。
取扱う貨物の種類
- コンテナ貨物 - 12 ftコンテナ、20 ft大型コンテナを取り扱う。
- コンテナ貨物は、JR規格の12 ftコンテナの発着が多い。また、富士宮市にある富士フイルムの工場で使用されるテレフタル酸を輸送する20 ftのタンクコンテナ・UT12A形の発着もある。運用区間は、沼津-大竹間で三井化学岩国大竹工場私有のタンクコンテナを用いる。
- 臨時車扱貨物 - 明電舎専用線発着の特大貨物を取り扱う。
- 産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の取扱許可を得ている。
貨物列車
(2014年3月15日時点)
高速貨物列車は、吹田貨物ターミナル駅方面への2往復が当駅を始発・終着として、貨車の連結・解放を行う。
当駅から東京方面へ直接向かう列車はない。
歴史 東海道本線は開業当時は御殿場駅経由であったが、同経路には25‰(パーミル)という急勾配があった。大阪方面からの鉄道車両はこの勾配を越えられる機関車に同駅で付け替えを行い、更に両数が多い場合は補助機関車を列車後部に追加連結する必要があったため、沼津駅に上り列車は必ず停車していた。なお、東京方面からの下り列車は、国府津駅で補助機関車を連結した後、普通列車を除いて御殿場駅構内を通過する時に機関車を走行解放していたため、停車を必要としなかった。実際には1930年に運転を開始した特急「燕」の下りを除き、全ての旅客列車が沼津に停車していた。
この必要から操車場・整備施設はもとより、難所とされる峠越え線路の保守関係設備も発展した。これらの操車関連により必然的に停車時間が長引き、結果的に沼津の観光産業に少なくない影響を与えることになった。
1934年(昭和9年)に丹那トンネルを経由する熱海駅 - 沼津駅間が開通すると、今度は上下とも東海道本線の列車を牽引する電気機関車と蒸気機関車を同駅で付け替えることになり、全ての旅客列車・貨物列車が何分間か停車することになった。丹那トンネルは長大なトンネルである。機関士が煤煙で失神する危険性を孕んでいたために、蒸気機関車牽引の列車がそのまま直通することは不可能であったから、電気機関車への付け替えが必要だった。そのための停車時間を使用して、名古屋駅から沼津駅までノンストップで走る特急列車「燕」の旅客をはじめ駅弁や土産などを買う人が多くなり、「沼津まではヌマズクワズ(飲まず食わず)」という詞も生まれた。この機関車付け替え作業は、1949年(昭和24年)2月に電化区間が静岡駅へ延伸されるまで続いた。
年表
- 1889年(明治22年)2月1日:官設鉄道の沼津駅として、国府津駅 - 静岡駅間の開通時に開業。旅客・貨物営業を開始。
- 1891年(明治24年)1月12日:御殿場駅 - 沼津駅間複線化、単線と複線の切替地点に。
- 1895年(明治28年)4月1日:線路名称制定により、当駅を通る路線が東海道線と命名される。
- 1899年(明治32年)
- 2月24日:沼津駅 - 鈴川駅(後の吉原駅)間複線化。
- 6月15日:沼津駅 - 蛇松駅(後の沼津港駅)間の資材運搬専用線が、官設鉄道の非営業線として運行開始。
- 1907年(明治40年)11月1日:沼津駅 - 蛇松駅間の非営業線が、貨物支線として正式開業。
- 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道の線路名称制定により、当駅を通る東海道線の本線筋が東海道本線と命名される。
- 1913年(大正2年)3月3日:沼津大火により、初代駅舎焼失。
- 1926年(大正15年)12月10日:2度目の沼津大火により、2代目駅舎焼失。
- 1934年(昭和9年)12月1日:東海道本線熱海駅 - 沼津駅間が開通。国府津駅 - 御殿場駅 - 沼津駅間は御殿場線と改称され、当駅は東海道本線と御殿場線の接続駅となる。
- 熱海駅 - 沼津駅間の新線は電化されて開業した。当時、東海道本線の沼津駅以西と御殿場線は非電化であった。
- 1937年(昭和12年)7月:4代目の駅舎に改築。
- 1945年(昭和20年)7月16日:太平洋戦争下のアメリカ軍による空襲で4代目駅舎焼失。
- 1949年(昭和24年)2月1日:東海道本線 沼津駅 - 静岡駅間電化。
- 1953年(昭和28年)3月30日:5代目駅舎を建設、民衆駅に。
- 1956年(昭和31年):北口新設。
- 1968年(昭和43年):コンテナホーム設置。
- 7月1日:御殿場線 御殿場駅 - 沼津駅間電化。これにより、当駅に乗り入れる旅客線は全て電化された。
- 1972年(昭和47年)4月1日:旅行センター開業。
- 1973年(昭和48年)7月1日:駅ビル建設。
- 1974年(昭和49年)9月1日:沼津駅 - 沼津港駅間の東海道本線貨物支線を廃止。
- 1978年(昭和53年)10月2日:本社指定組成駅から地区指定組成駅に降格。
- 1984年(昭和59年)2月1日:地区指定組成駅の指定を解除、新たに輸送基地に指定される。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物取扱を廃止。輸送基地の指定を解除され、貨車操車場としての機能を全廃。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東海・JR貨物の駅となる。
- 1993年(平成5年)1月30日:自動改札機を導入。
- 1995年(平成7年)10月30日:電子連動装置の使用を開始。
- 2008年(平成20年)3月1日:TOICAのサービス開始。
- 2012年(平成24年)3月17日:「あさぎり」の当駅乗り入れを廃止。
- 2015年(平成27年)3月14日:JR東日本・東北本線東京駅 - 上野駅間開業に伴い、当駅が東京駅経由東北本線・高崎線直通列車の西端となる。
- 2020年(令和2年)6月7日:当駅構内に設置されている連動装置の取替工事に伴い、下りは三島駅 - 当駅間、上りは当駅 - 東田子の浦駅間で、一部列車が運休、バス代行を実施。
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