万葉線
万葉線の概要
中新湊駅に停車するアイトラムと7071型
中新湊駅に停車するアイトラムと7071型
万葉線(まんようせん)は、富山県高岡市と同県射水市を結ぶ鉄道線です。
万葉線は、正式には高岡駅六渡寺駅が高岡軌道線(軌道)、六渡寺駅→越ノ潟駅が新湊港線(鉄道)と2路線に分かれていますが、実際の運行には区別がなく一体の路線「万葉線」として運行されています。
ただし、高岡軌道線は軌道路線であり、その大部分は併用軌道となっていますが、新湊港線はれっきとした鉄道路線です。
ただし、新湊港線に乗り入れる車両はすべて路面電車タイプなので、万葉線全体が路面電車として扱われているのが実際でしょう。
新湊港線は、元々は富山地方鉄道射水線でした。
射水線は、1924年(大正13年)10月12日に越中電気軌道が富山北口駅 - 四方駅間を開業し、その後順次路線を拡張していき、1933年(昭和8年)12月25日には新富山駅- 新湊駅(現在の六渡寺駅)の全線が開通しています。
1943年(昭和18年)1月1日には越中鉄道が富山地方鉄道に合併され、富山地方鉄道射水線となっています。
一方、高岡軌道線は1948年(昭和23年)4月10日に富山地方鉄道により地鉄高岡駅-伏木港駅間7.3kmが開業しています。
さらに1951年(昭和26年)4月1日に米島口駅-新湊駅間3.6kmが開業し、射水線と接続されました。同時に湶町駅(現・広小路)-米島口駅間は複線化され、射水線を経由して地鉄高岡駅-富山市内軌道線西町駅間の直通運転が開始されました。
六渡寺駅で列車交換するアイトラム
六渡寺駅で列車交換するアイトラム
この際に米島口駅-伏木港駅間2.9kmは支線扱いとなり、伏木線と呼ばれていましたが、国鉄氷見線が平行して走っていることから、乗客数の増加は見込めず、1971年(昭和46年)9月1日に伏木線は廃止されています。
1961年(昭和36年)7月18日には地鉄高岡駅-富山市内軌道線西町駅間の直通運転が廃止されています。
この後、1966年(昭和41年)4月5日には富山新港の建設のため堀岡駅-越ノ潟駅間が廃止されて、越ノ潟駅-新湊駅間は加越能鉄道へ譲渡され新湊港線となっています。
1967年(昭和42年)には、堀岡駅-新港東口駅間が開業し、新港東口-越の潟間は、富山県営渡船が運行を開始しています。
これにより分断された射水線は、渡船により再び接続されたものの、これまで直通していた路線が分断されたために、新湊市街地方面からの客が見込めないために乗客数が大幅に減少してしまい、富山市内軌道線への乗入により活路を見出そうとしたものの、1980年(昭和55年)4月1日に新富山駅 - 新港東口駅間が廃止となり、射水線は全線廃止の憂き目を見たのでした。
このように歴史的に高岡軌道線と新湊港線は当初は別々に建設され、後から接続されているために別々の路線となっているのです。
この後は射水線分断とその廃止の影響とモータリゼーションの影響もあり、乗客数が減少していき、加越能鉄道の経営も次第に苦しくなっていきました。
ついにこれまで万葉線を運営していた加越能鉄道が、2001年(平成13年)に経営悪化を理由に鉄道路線の廃止とバス代替の意向を示したため、同年に高岡市と新湊市(現射水市)が中心となっ
(旧)高岡駅前駅に停車するアイトラム
(旧)高岡駅に停車するアイトラム
て第3セクター会社の「万葉線株式会社」が設立され、2002年(平成14年)2月には加越能鉄道から事業譲渡され、同年4月1日から新会社にて正式に運行が開始され、現在に至ります。
路面電車を運営するための第3セクター会社は、この万葉線が日本初でしたが、2006年(平成18年)4月にはやはり第3セクターである富山ライトレールが開業しています。
路面電車を運営する第3セクターは、現在のところこの2社だけです。
2004年(平成16年)1月21日からは、新形のLRTである超低床型車両「MLRV1000形」が導入されて、現在の主力車両となっています。この車両の愛称は、「アイトラム」と呼ばれています。アイトラムは、赤色に塗られた車体が特徴です。
加越能鉄道から万葉線への転換後、路線の乗客数は増加に転じています。
これは新型車両「アイトラム」を導入した効果が大きいと思われますが、地元住民の危機感が利用者増加につながっていると思われます。2006年の営業係数は134.9となっています。ここ数年は次第に収支が改善してきているもののまだ営業成績は黒字に転じていないのでさらなる努力が必要かと思います。
これについてまず考えられるのは高岡市内の各種イベントに対して増便するのはすぐにでも可能な簡単な方法でしょう。
また海王丸パークについても同様です。海王丸を観光資源としたイベントをもっと打って、万葉線で海王丸パークを訪れると何らかの優遇措置をとるといった方法も考えられます。また海王丸パーク自体も他にないような観光客を集客できるテーマパークなど建設すればどうでしょうか。
高岡・新湊地区を複合的に活発化し、併せて万葉線の乗客を増やす方法は他にもいくらでも考えることはできましょうが、いずれにしても官民が一体となって協力しないと成功はおぼつかないのではないでしょうか。
しかし当面は乗客数の大幅な増加は見込めないのでしばらくは自治体が踏ん張らないといけないでしょう。
平成22年12月には、高岡軌道線内の各駅のホームが改修されて、上屋やスロープが設置されるなど近代化されています。

高岡駅に停車するドラえもんトラム 高岡駅ホームは3面2線です
高岡駅に停車するドラえもんトラム 高岡駅ホームは2面2線です
越ノ潟駅に停車するアイトラム 越ノ潟駅に停車するアイトラム
越ノ潟駅に停車するアイトラム 越ノ潟駅に停車するアイトラム
江尻駅に停車するアイトラム 江尻駅付近ですれ違うアイトラムとデ7071
江尻駅に停車するアイトラム 江尻駅付近ですれ違うアイトラムとデ7071
越ノ潟駅に停車するアイトラム 越ノ潟駅に停車するデ7071
越ノ潟駅に停車するアイトラム 越ノ潟駅に停車するデ7071
車両基地に停留するアイトラム 江尻駅に停車するアイトラムとデ7071
車両基地に停留するアイトラム 江尻駅に停車するアイトラムとデ7071
志貴野中学校前駅-市民病院前駅間を走るアイトラム 中伏木駅付近を走るねこ電車
志貴野中学校前駅-市民病院前駅間を走るアイトラム 中伏木駅付近を走るねこ電車
(旧)高岡駅に停車するアイトラム 志貴野中学校前駅に停車するデ7076形電車
(旧)高岡駅に停車するアイトラム 志貴野中学校前駅に停車するデ7076形電車
越の潟駅に到着するアイトラム 庄川鉄橋を走るアイトラム
越の潟駅に到着するアイトラム 庄川鉄橋を走るアイトラム
越の潟駅に停車するアイトラム アイトラム車内
越の潟駅に停車するアイトラム アイトラム車内
越の潟駅に停車するドラえもんトラム どらえもんトラム
越の潟駅に停車するドラえもんトラム どらえもんトラム
越の潟駅を発車したドラえもんトラム 踏切を渡るどらえもんトラム
越の潟駅を発車したドラえもんトラム 踏切を渡るどらえもんトラム

路線データ
万葉線高岡軌道線
路線距離  高岡駅-六渡寺駅 8.0km
路線種別  軌道路線(軌道法適用)
軌間  1,067mm
駅数  18駅(起終点駅含む)
複線区間  広小路駅 - 米島口駅間  2.7km
電化区間  全線(直流600V)
閉塞方式  自動閉塞式
開業年月日  1948年(昭和23年)4月10日 
万葉線新湊港線
路線距離  越ノ潟駅-六渡寺駅間 4.9km
路線種別  鉄道路線(鉄道事業法適用)
軌間  1,067mm
駅数  8駅(起終点駅含む)
複線区間  なし
電化区間  全線(直流600V)
閉塞方式  自動閉塞式
開業年月日  1930年(昭和5年)10月12日
MLRV1000形
MLRV1000形

万葉線 現役車両
MLRV1000形「アイトラム」 デ7070形
 MLRV1000形「アイトラム」 デ7070形
MLRV1004 アニマル電車と除雪車
MLRV1004 アニマル電車と除雪車
新「ねこ電車」7073 越ノ潟駅に停車中のアイトラムMLRV1006
新「ねこ電車」7073 越ノ潟駅に停車中のアイトラムMLRV1006
2009年4月時点で万葉線で運行されているのは、MLRV1000形「アイトラム」6両と、デ7070形電車6両です。
MLRV1000形電車は、新潟トランシスが製造した2車体連接超低床車両(LRV)です。
MLRV1001-A・B~1006-A・Bまでの6編成を保有しています。
富山ライトレール富山港線を走るポートラムとほぼ同等の設計による車両です。
愛称は「アイトラム」と呼ばれています。
現在の万葉線の看板列車でこの車両の導入により万葉線は息を吹き返したと言っても過言ではないでしょう。
デ7070形電車は、7071~7076までの6両を保有しています。
これまで7072が「ねこ電車」として活躍してきましたが、老朽化により新たに7073が「ねこ電車」としてデビューしています。
ねこ電車は、正式名は「アニマル電車」ですが幼児向けの絵本にも載ったほどでけっこうな人気電車です。

万葉線 駅一覧


番号
駅名 駅間
キロ
営業
キロ
接続路線 ホーム 交換
設備
施設
区分




1 高岡駅 - 0.0 北陸本線氷見線城端線(高岡駅) 1面1線  
併用
軌道
2 末広町 0.5 0.5   2面1線  
3 片原町 0.2 0.7   2面2線  
4 坂下町 0.2 0.9   2面1線  
5 急患医療センター前 0.4 1.3 2面1線  
6 広小路 0.4 1.7   2面2線  

7 志貴野中学校前 0.4 2.1   2面2線  
8 市民病院前 0.3 2.4   2面2線  
9 江 尻 0.6 3.0   2面2線  
10 旭ケ丘 0.3 3.3   2面2線  
11 荻 布 0.5 3.8   2面2線  
12 新能町 0.3 4.1 氷見線(能町駅) 2面2線  
13 米島口アルビス米島店前 0.3 4.4 伏木線(1971年9月1日廃止)  2面2線 車両庫

専用
14 能町口 1.1 5.5   2面1線  
併用
軌道
15 新吉久 0.5 6.0   2面2線  
16 吉 久 1.3 6.7   2面1線  
17 中伏木 0.8 7.5   2面1線  
鉄道
18 六渡寺 0.5 4.9 8.0   2面2線  



19 庄川口 0.6 4.3 8.6   2面1線  
20 射水市新湊庁舎前 0.8 3.5 9.4   2面1線  
21 新町口 0.6 2.9 10.0   2面1線  
22 中新湊 0.6 2.3 10.6 1面2線  
23 東新湊 1.0 1.3 11.6   2面1線  
24 海王丸 0.6 0.7 12.2   2面1線  
25 越ノ潟 0.7 0.0 12.9 富山県営渡船 1面1線  
交換設備  ∨∧:単線←→複線  ◇:列車交換可 ∥:複線  |:列車交換不可
万葉線の時刻表、運賃表は、こちらをクリックしてください。

過去の廃止路線
加越能鉄道伏木線(高岡軌道線支線)
路線距離  2.9km
駅数  7駅(起終点含む)
軌間  1,067mm
複線区間  全線単線
電化区間  全線電化 (600V直流)
閉塞方式  不明
開業年月日  1948年(昭和23年)4月10日
廃止年月日  1971年(昭和46年)9月1日
加越能鉄道伏木線 駅一覧
駅名 駅間
キロ
営業
キロ
接続路線 交換
設備

軌道
区分
所在地
米島口駅 - 0.0km 高岡軌道線本線
併用
軌道
高岡市
米島駅 0.5km 0.5km  
高美町駅 0.7km 1.2km  
矢田駅 0.4km 1.6km  
串岡駅 0.4km 2.0km  
古府口駅 0.6km 2.6km  
伏木港駅 0.3km 2.9km 氷見線(伏木駅)

体験乗車レポート
高岡駅前に停車するアイトラム
高岡駅前に停車するアイトラム
高岡駅前から12時45分発のアイトラムに乗車してみました。
終点の越ノ潟までの料金は、350円となります。
土曜日の日中なのですが、かなりの乗車率です。万葉線も最近ではアイトラムの導入以降、乗客数が増加に転じているとのこと。
車内放送はなんと立川志の輔がしゃべっています。
まず、最初の停留所は、末広町ですが、この駅は2008年3月15日に開業したばかりの新しい駅です。
しかしちゃんとホームもあり上屋もあります。そんなのあたりまえですって?。
ところが次の片原町は、のりばが路面に白線でペイントされただけで、上屋はおろか安全地帯すらありません。これはけっこう危ないと思います。この駅から山町筋へ入れます。
次の坂下町は、高岡大仏への最寄り駅となっています。
このあたりは国道156号線の上を走っているので交通量もけっこうあります。
本丸会館前あたりは道路の両側に電柱がありません。地中線化されているのです。この駅にはしっかり上屋があります。
広小路は、国道156号線と県道44号線との交差点があり、交通量も多い地点です。この駅にもちゃんと上屋があります。
駅のそばには高岡商工会議所があります。また古城公園もすぐ近くなのでここで降りて公園を散策するのも良いでしょう。しかし私はまだまだ終点まで降りません。
広小路からは、なんと複線になっています。次の志貴野中学校前は、市役所のそばにあります。この駅にも上屋があります。
六渡寺駅ですれ違うアイトラム
六渡寺駅ですれ違うアイトラム
ううむ、富山市内軌道線もちょっとは見習ったらどうでしょうか。
市民病院前では乗降客がかなりいて出入りがありました。高岡市民病院があるからでしょうか。
この駅にも上屋があります。万葉線高岡軌道線は基本的に駅に上屋があるようです。
電車は、江尻にも停まります。この近くにはジャスコがあります。江尻駅も最近改修されていて上屋が設置されています。
次の旭ヶ丘、荻布は通過し、新能町に停車しました。
旭ヶ丘駅も改修されて上屋が設置されています。
この近くにJR氷見線の能町駅がありますが、乗り換えする人がいるのでしょうか。
次の米島口アルビス米島店前にはすぐ前にアルビス米島店があります。えらく長い駅名ですね。
ここには車両基地もあり、電車が停留しています。
複線はここまでで、この後は単線になりますが、同時に軌道が道路から外れて専用軌道に入ります。
JR氷見線と貨物線の上をまたいで走り、能町口駅に入ります。ここからはまたしばらく道路の上に軌道があります。
新吉久、吉久とも道路の上に白線を引いただけの簡易な停留所で安全地帯がありません。吉久を過ぎてしばらくすると専用軌道に入り、中伏木に入ります。
ここは、ホームも待合室もあり、立派な駅です。ここからは射水市の領域となります。
次の六渡寺までが高岡軌道線で、ここを境に越ノ潟までは新湊港線と呼ばれています。ただし、実際上の区別はなく、一体として運行されています。六渡寺は、新しい駅舎を持っていました。最近できたばかりのようです。
六渡寺から出た電車は庄川の上をまたいで、庄川口に入ります。
越ノ潟に停車するデ7071型電車
越ノ潟に停車するデ7071型電車
次の射水市新湊庁舎前は、旧新湊市の役所が並んでいます。市役所や消防署、保健センターもあります。
次の新町口を過ぎて、中新湊に入ります。ここは、万葉線では唯一の島式ホームを持つ駅です。
ただし、乗降口は進行方向の左側に固定されているので、必ず進行方向の右側のホームに入らないといけません。
中新湊は、射水市の代表駅なのですが、実は駅は高岡市にあります。ここで多数の客が降車してめっきり客が少なくなりました。
次の東新湊は、日本高周波鋼業富山製造所のそばにあります。
終点一つ前の海王丸は、海王丸パークの最寄り駅です。海王丸パークには帆船海王丸が係留されています。
いよいよ終点の越ノ潟に到着です。ここまで来る客は少ないのですが、ここには富山県営渡船の乗り場があります。
対岸の堀岡に渡るのですが、いつも客は少ないのです。ただし無料です。新湊大橋ができれば廃止になります。
万葉線総延長12.8kmの旅が終わりましたが、全体的な印象としてはけっこう客が戻ってきているなという感じです。
万葉線は第3セクター化して新型車両アイトラムを導入するなど積極的な経営で収支を改善してきてはいますが、それでもなお赤字です。これを黒字に転換するのは容易なことではありませんが、もっと観光客を引き込む工夫や買い物客が利用しやすい工夫を重ねていく必要があると思われます。
この沿線には多数の史跡があり、観光資源に恵まれていますし、万葉線自体も観光スポットとして定着していけば収支係数が100を切る事も夢ではないでしょう。
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万葉線 マップ
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